以前から考えてはいたのですが「中学理科と高校理科の継続的な部分のお話」を少しちゃんとまとめておこうかと思っています。
今回は第2弾、化学のお話です。
中学・高校の内容が変わった(2011年改訂学習指導要領より)
高校での科目は「化学基礎」と「化学」になります。
内容は、我々40代が習っていたのと変わらない内容です(少し新しい内容もありますが、ほぼ同じ内容と量)。
中学理科の化学分野で「イオン」を習います。これは高校理科から降りてきた内容で、、、実は「化学基礎」でもう一回しっかり習うことになるんですが、中学に「旧高校化学」の内容が入っている(生物にもあったりしますが、、、)んですよね。
特に「イオン」に関しては「元素の周期表」であったり「原子の構造:原子核が陽子と中性子からできていて、、、陽子の数が原子番号、、、」といった内容を習ったうえで、「電気的に分離:電離する」というお話で、、、。
イオンのお話、結構中学生には大変でして。
高校に向け、中学で頑張っておく「化学」
中2か中3で「周期表を20個覚える」をする中学校が多いように思います。
これ、絶対に覚えてほしいです。というか覚えてると「高校入試で楽」ですし「高校入学後の化学基礎で楽」です。
→ ① 「元素周期表・20個覚える」
中2くらいで出てくる「化学反応式」。いくつか暗記している人もいると思います。
例 Fe + S → FeS (鉄と硫黄が化合して硫化鉄になる)
例2 HCl + NaOH → NaCl + H2O
(塩酸に水酸化ナトリウムを加えて『中和』、塩として塩化ナトリウムができて、水が発生する)
など、暗記している人もいるかと思います。
特にフェスになる!(FeSをフェスと覚えてる)は良く聞きますし、、、別に悪いわけじゃないんですが、、、。
どちらかと言うと「数字を合わせなきゃダメ」な反応式、大丈夫かなー、と思います。
「炭酸水素ナトリウムを加熱して分解すると、炭酸ナトリウムと二酸化炭素と水が発生する」を反応式で書きなさい
→ 反応式書けるかどうか、が結構重要なポイントです。
2NaHCO3 → Na2CO3+CO2+H2O となるんですが、、、炭酸ナトリウム(Na2CO3)を覚えていたとして、炭酸水素ナトリウム(NaHCO3 )が2個ないとダメ、な理由がわかる・説明できると、高校入ってから「反応式」の話で困ることは少ないかなー、と思います。
ここでは、中学で出題される反応式のみ使ってお話していますが、実際には「未定係数」のお話がわかることが大事で、、、。「保存の法則」が反応式でも使えること(原子の数が反応前・後で変わらない)を理解しているといいわけで、、、。
長くなりました。
→ ② 化学反応式が「書ける」こと。(この書けるは↑に書いてあるレベル。暗記ではないです)
酸性・アルカリ性、酸化還元、覚えれてますか?
酸性は「H+を出す」もので、アルカリ性は「OH–を出す」ものでした。
酸化は「O原子が合体する反応」で還元は「O原子が外れる反応」でした。
これ、こんがらがって覚えている人いたりします。整理整頓しておくとよくて、、、。
ご存知かもしれませんが、高校に入って「酸性・アルカリ性」や「酸化還元」はかなりしっかりやります。
高校で酸性アルカリ性の定義も、酸化還元の定義も「更に細かく・詳しい定義」に変わりますが、基本は変わらないわけで、、、しっかり「酸性・アルカリ性」「酸化還元」はどんなものなのか覚えておくといいです。
→ ③ 酸性・アルカリ性、酸化還元を覚えている(しっかり!↑のレベルで!)
どれもこれも「中学理科の面倒なところ」という側面もあるのですが、、、。
これが全て「高校・化学基礎」につながっている(というか、そのものをやる)のです。
高校・化学基礎
高等学校学習指導要領に記載されている内容を引用しますm(_ _)m
(1) 化学と人間生活
高等学校学習指導要領p53〜54より(赤太字追加)
ア 化学と人間生活とのかかわり
イ 物質の探究
(ア) 単体・化合物・混合物
(イ) 熱運動と物質の三態
(2) 物質の構成
ア 物質の構成粒子
(ア) 原子の構造
(イ) 電子配置と周期表
イ 物質と化学結合
(ア) イオンとイオン結合
(イ) 金属と金属結合
(ウ) 分子と共有結合
ウ 物質の構成に関する探究活動
(3) 物質の変化 化学反応の量的関係
ア 物質量と化学反応式
(ア) 物質量 物質量と粒子数
(イ) 化学反応式
イ 化学反応
(ア) 酸・塩基と中和
(イ) 酸化と還元
ウ 物質の変化に関する探究活動
赤字のところが「中学でもやっている内容」です。
大半が「中学でもやってる」わけです。
① 「元素周期表・20個覚える」
② 化学反応式が「書ける」こと。
③ 酸性・アルカリ性、酸化還元を覚えている
の3つをやってると、高校入って化学基礎で困らずついていけるんじゃないかなー、と思うわけです。
あ、もちろん「内容は詳しく・難しく」なっているので、それに合わせた学習は絶対に必要ですが。
つながりが強めの化学基礎、、、と書きたいところですが
えーっと、落とし穴はもちろんありまして(笑)。
化学基礎の後、化学は(我々40代の頃からそうですが)非常に難しいです。
理解できると非常に面白いのですが、理解するためのハードルが高い内容が多いんですよね。
「ボイル・シャルルの法則」や「有機化学の光学異性体」「無機化学・ハーバー・ボッシュ法の様な合成過程」、、、懐かしいと感じる保護者世代の方もいらっしゃるかもしれません(笑)。
どれも「キッチリ」理解する必要があるので、、、中学ー高校の繋がりはしっかりあるんですが「化学基礎ー化学」の高校入学後の化学があまり繋がりがない感じです(生物基礎ー生物もそうですが)。
化学基礎は大事です。
高校入学後、化学基礎はほとんど全ての人がやると思いますが「スゲー大事」です。
化学だけじゃなく、生物基礎・生物でも化学の基礎知識は絶対に必要になるので「化学基礎」はしっかり理解する必要があって、、、。
「化学」は高校入学後の方が重要になるかもしれません。
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