特別支援学校をやめていく、のお話。

本音は特別支援学校をやめていきたい 神奈川県 黒岩知事が「ごちゃまぜを当たり前に」したい理由 | Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)
「もちろん本県では、特別支援教育を必要とする児童・生徒のための環境づくりをしています。ですが……」。神奈川県の黒岩祐治県知事が熱く語ったこれからの社会デザイン。なぜ神奈川県はインクルーシブ教育に積極的なのか? 『普通をずらして生きる ニュー...

特別支援をやめていく、というお話を某知事がしてましたが、、、ほとんどの人が反対意見を書いていますし、私も反対ではあるんですが、、、。
ちょっとちゃんと考えてみよう、というお話ですm(_ _)m

特別支援学校は、知的障害・身体障害だけじゃない

どーしても特別支援学校というと「知的」と「身体」の障害のためのものというイメージが強いですが、視覚障害と聴覚障害の特別支援学校(昔の盲学校・聾学校:どちらも用語として差別を含むとされて使わないよーになってます)がありますし、重度・複合の特別支援学校(病院に併設・もしくは院内の特別支援学校)もあります。寝たきりの児童生徒への支援学校なわけです。

、、、えーっと、いうまでも無く、この時点で、黒岩知事のお話は「難しい→×」「無理→○」だとわかるかと思います。
ほとんどの方が感じた「同じにすることでの不幸」の可能性はあるわけです(「一緒にする幸せ」は絶対にあるので、それも忘れないようにしたいです)。

特別支援学校だけじゃない

現時点で、小学校・中学校には「特別支援学級」がすでにあるわけです。高校は「インクルーシブ教育」で、特別支援学級は作らないけれど、障害のある生徒の受け入れをする方向になっています。

さらに(北海道では全く見ないですが)「情緒学級」もありますし、色々な状況の生徒に合わせた「特別な学級」の設定がされていて、、、。
つまり、既に(完璧ではないけれど)「ごちゃまぜ」なんですよね。

先生たちは困っている

ここ最近、教員免許を取った先生は「特別支援」についての実習を受けないと免許が取れませんが、それ以前は「特別支援」についての講義をいくつか取れば免許が取れる(=実際に実習していない・知識が何となくある)ので、先生がたの知識として「どう支援していいのか知らない・わからない」んです(今現在の学校の状況)。

例えば、私は元高校教員ですが、理学部出身・教員免許(中・高理科)を持っていますが、この免許取る際に「特別支援」というお話はありませんでした。用語として「養護学級→特別支援学級」になりつつある時期・やっとADHDの話がでてきたくらい、でしたので、今の特別支援に関する知識を習得はしていない状態です(おそらく40代は間違いなく、35くらいまでは多分、そういう状況です)。

その状況で、発達障害のある生徒や特別支援学級の生徒の支援をしている、わけです。特別支援学校以外に特別支援の免許を持っている先生が非常に少ない状況にある、のは有名な話で、、、全ての先生が「特別支援」を実習や講習として習得してきているわけではない、んですよね。

10年後・15年後?

おそらくこの先10年経つと「特別支援の実習をしていない先生の方が少ない」という状況になっていくと思います(順調に先生になる人が増えてくれる前提ですが(笑))。
そうなれば、きっと、おそらく、間違いなく(?)、今の札幌のように「特別支援学級はあるけど、発達の生徒のための支援級=通級指導教室が区に一つずつ」ではなく「各学校に通級指導教室がある」し「情緒学級は全くない→全ての学校に情緒学級もある」ことになるはずで、、、、その先に、ごちゃまぜにしてやっていける、があるよーな気がしているんですが、違いますかね??

15年後に向けて「特別支援『学級』をなくしたい」ということであれば、個人的には賛成です。
全ての先生が特別支援の免許がある+クラス担任が3人+20人1学級、みたいな状況であれば十分可能だと思うので(笑)

、、、そんなにコストと人をかけれるような状況にあるかどうか、社会基盤としての学校がどうなっているのか、そっちをしっかり考えるべきかな、と思っていたりするんですよね、人・モノ・金が足りず学校が崩壊する、という状況があり得るんじゃないかなー、、、と。

特別支援学校の意味

特別支援「学級」では難しい児童・生徒さんを受け入れてくれている、という認識です。
例えば他害傾向が激しい(特に何かあるわけでも・怒っているわけでも無く、叩く・殴る・蹴る、壊す)子、特別支援学級で受け入れられない、、、例えば生徒5名を教員2名で見ている場合・怪我を防止することがかなり難しくなるわけです。学校内で対応が可能であればいいのですが「先生が少ない」「特別支援の免許がない+知識もない」場合、、、どーするといい?って問題があるわけです。

また、特別支援についても「教え方の研究」がされています。そういった機能を持つ学校は要らない・大学でやってくれればOK、ということであれば特別支援学校は必要なくなると思いますが、、、特別支援学級の児童・生徒の状況を相談する先がない、というのは教育としていかがなものかな、、、とも思うわけです。

また、視覚障害・聴覚障害の生徒さんを教えるのには「それなり以上の専門的な知識」が必要です。
それこそ、今いる先生方がちょっと勉強して何とかなる、わけではないです(免許はとることは可能かもしれませんが「教えることができる」になるまでは時間が必要)。何にせよ、見えない生徒には話で理解させ、聞こえない生徒には手話しつつ、健常な生徒には通常の板書を書く授業ができる人を作る、というのはどう考えても無理だろうな、と(そして、そんなことを考えているわけでもないと思います(笑))。

ごちゃまぜ、にするってことは「それぞれの専門的に教えている先生もごちゃまぜになる」ことを指し示しています。今までの教え方にはないこと(手話は言語体系として2つある・どっちで教えるのが正解か?とか)を含んでいくことになります。
、、、正直、今の先生たちにそんな「精神的な余裕」はないと思うわけで。

今すぐできる、ホントのごちゃまぜ

小中高、一貫校です。
別に一貫校でなくてもいいんですが「小中高校を大きな一つの学校にする」と「ごちゃまぜ」なのになー、、、色々できるのになー、と思っています(私の大学時代からの持論です(笑))。

まあ、、、何にせよ、事を性急に進めようという言説は大きな波を生みます。

今、、、ではなくこの先を考えると、という話をして欲しいかな、と思います。
教育は「今日」ではなく10年先のための事を毎日やっている場だと思います。今変えると「10年後」に大きな形の変化として返ってきますが、その時には「政治家」は居ないでしょう。現場の先生はずっと居るのです。

少し、時間感覚を変えてお話して欲しいなー、というのが私が一番思ってることです。

終わり。

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この記事を書いた人
すぎやま

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