今年度(2021年度)から、中学校が「新しい学習指導要領」に変更されて「観点別評価の方法」が「四観点評価→三観点評価に変更」となりました。
大きな変更ではないので、過去に書いた評価のお話の内容をそのまま見ていただければ良いと思いつつ、、、(特に1つ目の記事は今回の変更のお話そのものです)。
ということで、中学校の観点別評価のお話と、観点が4つ→3つになって何が変わるのかのお話を軽くまとめておきます。
観点別評価のお話
過去のブログを引用しつつお話していきます。
四観点評価
最近は「観点別評価」と呼ばれるもので点数化しています。
大雑把な話であれば、上の話でも出てきている「評価基準」=「観点別評価」と捉えてもOKです。どんなことに対してどんな点数をつけるのか、という事を決めてどう評価するのか、という基準です。一般的には「四観点評価」という表現が多いようです(国語は独自に五観点評価しているようです)。
・「関心・意欲・態度」
・「思考・判断・表現」
・「技能」
・「知識・理解」この四つに関してを点数化しているわけです。
「絶対評価?観点別評価? 学校の評価はずいぶん変化してる。」より
観点別評価・四観点評価ってのはこんな感じで、、、
- 「関心・意欲・態度」 → 提出物・授業中の取り組み(実験レポート・話し合いの参加度)
- 「思考・判断・表現」 → 小テスト・作文・レポート・定期テスト
- 「技能」 → 制作物(技術、家庭科、美術)・作文・実験
- 「知識・理解」 → 定期テスト・小テスト
を評価の基準として使って、成績を出す方法です。
よくあるのは1観点25点・4観点で100点満点で評価(学期ごと)する方法でした。
三観点評価
全ての教科で、「知識及び技能」「思考力,判断力,表現力等」「学びに向かう力,人間性等」を元に「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3つの評価の観点に統一。(今までは国語・五観点評価、他・四観点評価でした)
「2019年度、小・中・高の評価の仕方が変わる?」より
という3つ、、、
- 「知識・技能」 → 定期テスト・制作物・作文・実験
- 「思考・判断・表現」 → 小テスト・作文・レポート・定期テスト
- 「主体的に学習に取り組む態度」 → 提出物・授業中の取り組み(実験レポート・話し合いの参加度)
の形に変わります。
単純に1観点33点→3観点99点(でどれか一個だけ34点)という感じになる、、、のかな?
それならわかりやすいのですが、いくつかの中学校のシラバスを生徒から見せてもらったりしていますが、、、各中学校まだ探り探りなのか「評価の点数記載が無い」とか「評価の点数を書いている教科と書いていない教科がある」とか、、、中学校ごとどころか「教科の先生ごと評価の基準点数が違いそう」な状況です(教科ごとで基準が違うのはホントは良くないです:例・数学で60点で評価4で、英語60点で評価3だった、という不整合が起きるので)。
ある中学校は各教科ごと「知識・技能200点+思考・判断・表現200点+主体的に100点=500点満点」で評価、となっていました。各観点を等しく取らないのはどこまでOKなのか、疑問はありますが、「重みをつける」=「その学校ごとに評価で重視する点を変える」ことは問題はないハズ&「今の学習指導要領の流れは知識・学力重視」で、「主体的に学習に…」の評価対象になりがちな「ノート提出・ワーク提出」の点数を過分に与えない方向にしているんだろうなー、、、などなど、まだ開始したばかりで確たる形ができあがっていない感じがあります。
四観点→三観点に変わって、何が変わるのか?
各中学校ごとの違いもあるので大雑把な話にしかなりませんが、、、違いを書いてみます。
1.観点別評価の点数(特に提出物関係の点数)
4観点→3観点ですので「1つの観点あたりの点数が大きくなる」わけです。
単純な話にすると、、、4観点だと1観点あたり25点だったのが3観点では1観点あたり33点にUPする。→1.32倍の点数になるわけです。
特に「関心・意欲・態度」=「提出物系」=「主体的に学習に取り組む態度」は内容がほぼ変わらず、点数だけが大きくなっているわけです。
昨年度までは「ノート提出とかは大体20点(〜25点)くらい」で計算してました(し、事実そのくらいで成績評価されていました)。それが「ノート提出とかは大体30点(〜34点)くらい」ということになる、、、んじゃないかと思っています。
結果として今と大きく変わらないです(後述)。ただ「ノート・ワークを提出しないことでのマイナス分(20点→30点)は大きくなる」ので、「提出するのが当然」という流れになっていくように感じます。
2.定期テスト変更の可能性
三観点評価になったので(学習指導要領が変わったので)「テスト自体が変わる」という可能性があって、、、
テストの内容を変える
方向としては「高校受験(大学入試)に合わせて記述を増やす」へシフトしていく感じ。
例えば『定期テストで「思考・判断・表現」の問題を全教科で2問以上出す(1問あたり10点以上)』という変更をすると、、、提出物の点数の重要度が「高くなる学校」と「低くなる学校」ができるだろうなー、と思います(高くなる学校が多そうですが)。
記述の問題は小学校からしっかり書くことを教えられている場合には「とても簡単(何故なら、問題に解答すべきことが含まれていることが多いから)」と考える子が多いのですが、大半の生徒は「とても面倒(だから解答せずにとばして、あとから「できたのに!」と悔しがる)」と考えるわけです。
後者が多い学校ですと、提出物の重要度は高くなるわけです(全体の点数が下がるから、提出物の点数が評価を分けることになりやすい)。前者が多い学校だと、提出物の重要度は低くなり「提出物は当たり前で、その上にどれだけやってるか」が評価を分けることになるわけです。(という差が既に中学校間で起きている、、、ような気がしています)
テストの内容(問題の出し方)はジワジワ変わってくる可能性が高いです。特に思考判断系の問題が道立高校入試では全教科で出されることになったりしてますので、、、そういった問題を増やす中学校は増えるだろうと思います。(一回目のテスト以降にまたブログで書きたいと思っています)
テストの回数を変える
今年度「定期テストを年2回にする」という中学校が札幌市内で数校あります。
回数を減らすことで1回ごとの定期テストの重要度は高くなります(=しっかり点数を取らないと一撃で評価が落ちます)。→ 「学力重視」にシフト!していく感じ(新しい学習指導要領は学力重視へシフトチェンジ)です。
と言いつつも、提出物・小テストが定期テストまでに何度もあって『定期テストを受けるまでに「主体的に学ぶ姿勢」や「知識・技能」を評価されている』感じです。実は昨年度もコロナ下で同様に年2回テストの形をしていた学校がありまして、評価の仕方に感心していました。
テストとテストの間が長くなって、評価が実質2回だと「生徒がダレる(≒サボる)」ことがありそうですが「教科ごと・単元ごとの小テスト・提出物」がしっかり計画されていて「ダレてくる頃に小テスト」だったり「ダレてくる頃にワーク提出」があって、意外と生徒がダレたりサボったり手を抜いたりの暇が無いまま過ぎていく感じがありました。その学校ごとの特性・特徴もあると思いますが、テスト回数を減らすことで新しい評価(三観点評価)をうまく使っているような印象を持っています。
評価方法は変わったの?
変わりましたが、そこまで大きく変わっていません。
「相対評価が絶対評価に変わった」ときの様な大きな変化でも無いです。
が、学習指導要領的には大きな変革期に入りました。プログラミング教育・英語が小学校から始まり、中学生全員に1人1台PC貸与が始まりましたし、高校では来年度から教科名変わったり・必修科目変わったりします。
それに合わせてジワジワと「テストの出題内容が変わる」ことや「提出物の評価をしない方向になる」ことなどが出てくるような気がしています。(提出物を評価する意味は無い、ってのは先生たちの共通の思いの様な気がしてます)
そういった動きに合わせて今回新しく始まった三観点評価も「重視する部分(おそらく単純に学力)」に比重を置いた評価になっていくように思います。
そう言いつつ、、、。
この先も「評価方法を逆手にとってちょっとだけ評価を上げていこう」ができる状況が続くと思いますし、なんだかんだ有りつつも「真面目に提出物・ノート」がある程度の評価をもらえるものになると思います(この辺りの詳しい話は、教育面談でさせて欲しいと思ってますm(_ _)m)。
手元にある学習するツール(ノート・ワーク・PC)をやって点数をもらうこと(=評価されるものをどれだけやるか)に変化はないと思います。
毎日コツコツである必要もなくて「提出(評価されるとき)までに終わっている」+「しっかり記憶に留まるやり方ができているか」ができていれば問題ないわけでで、、、昔から変わらないんですよね、学習ー評価の形は。学習−評価の形を勘違いしなければ、やるべきことはズレていかないと思います。ズレてしまいそうだなーとかズレてきている気がするというときはご連絡下さい、多分良いアドバイスできると思います。
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評価の方法のお話は口頭の方がわかりやすいんですよね、、、個々人ごとにやるべきことが違うと思っていますので、、、一般論だとわかりにくくなる気がしています。
できれば面談に来ていただけるとありがたいですm(_ _)m
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