埼玉県の学力調査のデータから「学力(認知能力)を伸ばせる教員と、非認知能力を伸ばせる教員は同じではない」という話がありまして。
さて、認知能力と非認知能力ってなんぞや、というあたりもあるんですが、「教員1人では何ともならない」みたいな話が出てるわけで、、、。色々思うところを書いておきたいなー、と。
教育における認知能力と非認知能力
教育における認知能力
計算の力や漢字の読み書き、文章を読み取る力、図形を把握する力などを言う。
いわゆる「学力」と置き換えてよい。
教育における非認知能力
「認知能力でないもの」という表現がされていて、、、範囲が広いです。
下にあるように、意欲・意思・情動・社会性に関わるもので「意欲・意思」「自覚し見渡す力」「人と協力する力」などを指します。
認知能力≒テストの点数取るために必要な学力
非認知能力≒テストの点数取る為の学力以外の能力、、、ってのがわかりにくいわけです。
埼玉県教育局南部教育事務所から出ている文書「授業改善リーフ第2集」がわかりやすかったので、一部引用。
非認知能力として
- 自制心
- 自己効力感
- 勤勉性
- やり抜く力
を上げていて、、、。
学習に必要な力(昔はレディネスの一部とされていたような気がするのですが、気のせいでしょうか?)というくくりで出ていると思います(教育以外での非認知能力は色々ありそうです→メタ認知、に近い概念?)。
何にせよ、、、非認知能力≒「学習のために必要な、学力ではない力たち」と言えますよ、ということですm(_ _)m。
認知能力を伸ばす・非認知能力を伸ばす、ってのは何を意味してるのか?
認知能力の方は簡単で、、、「テストの点数が上がる」みたいな話です。
漢字が読めて書けるようになる・計算が早くなる・問題の正答率が上がる、は認知能力が伸びた、と言えると思います→認知能力を伸ばす=「点数上げる先生」ってことです。
非認知能力が伸びる、、、これ、数値でよく測ってるなー、と思いますが、、、。
忘れ物が減る・提出物が出せるようになる・勉強する時間が増えるなどが非認知能力が伸びた、と言えるわけです → 「生活状況を聞くアンケート部分」を利用してるようです(昨年とどう変化したか、を取っているようです)。
で、「非認知能力が伸びる→認知能力が伸びやすくなる」は相関ある(関係する)けれど「認知能力が伸びる→非認知能力が伸びやすくなる」は相関無い(関係しない)んだそうです。
だから、非認知能力を身に着けさせることが大事、というのが世界的な流れになっていて、、、埼玉県とかは色々調べてるよ、、、ということみたいです(文部科学省もかなりやってます)。
点数上げる先生と生徒を育てる先生は同じではない
「認知能力を伸ばす先生と、非認知能力を伸ばす先生は同じではない」の論拠になるものが、、、
この図表なんですが(他にもあるんですが、いまいち良いのがなかった)、簡単にいうと「相関がある」と一直線に並ぶんですよね、上のグラフはどれも「分散していて、一直線上に並ばない」わけです。
例えば、学習方略を伸ばす力が高い(縦軸が上に行けばいく)ほど、算数の点数が高くなる(横軸が右に行く)ことにはなっていない → 例えば・学習方略(非認知能力)を伸ばす力と算数の点数(認知能力)を伸ばす力には関係が無い → 非認知能力と認知能力を同時に伸ばしていない、、、というお話なわけです。
気になる部分。
小学校、担任1人が授業を全部持つのはヤバいってこと、、、ですよね?
児童の非認知能力を伸ばす先生が担任していると「認知能力は伸びづらい」という話になるわけで、、、。
あ、だから「高学年は教科担任制に移行した」のか???などなどと思いつつ、、、
私はおそらく「非認知能力を伸ばすのが上手いタイプ」だと思いますし、目先の点数や学力ではないことの指導が好きなのも事実です。
ただ、短期的に点数上げるのも得意なんだけどなー、、、と書いていて。あ、そうか、ウチの塾「集団に指導」じゃないから、この話とリンクしないのか、、、とここまで書いてから気が付きました、、、情けないことに。
何にせよ、、、「テストの点数を取る」ために「普段の生活を見直す」は意味がある(し裏付けもある)ことがわかりました。
できること、しっかり話ししていきましょー。まずは、、、部屋の片付けと机の整理ですよ!(笑)
付録
ついでにこんな資料もついてたので、載せておきます。
少人数学級にしても、効果が無い(40人のときと変わらない)という結果が出ているそうです(全世界的に:平均処置効果は大きくない≒全体的に効果が大きく出ているわけじゃない)。
ただ、「小規模校で低学力の児童」「貧困の割合が高い学校」には効果がある・「不登校も減少する」という結果は出ているようです。
、、、色々私達が思い込んでることが「そうではない」というデータが出てきているよーです。
まとめない、ぜったい。
結局昔から言われてたこと「あの先生、いい先生だけど、授業がねー」みたいなことが明確になっただけなのか?と思ってみたり、、、。
テストの点数を上げてる先生ってのが、「実は非認知能力を伸ばすのが上手いタイプだが、その結果が早く出ているだけ」という可能性もあったりして、、、。色々と「今まで言われていたけど、裏付けがなかったアレコレ」がもしかすると繋がってくる話なのかなーと思ってみたり、、、。
もう少し、多方面から考えておきたいなー、と思っています。
、、、実はこの話、まだ載せていない話がいくつもあって、、、教育関係者向けお話会とか保護者向けお話会で、少しずつ出していこうと思っていて、、、。
特に「教員の質を数値化する」という話(伊藤寛武さん(上の資料に出てくる「伊藤」)のウェブページにその数式が出ています)、教員付加価値という数値を利用して話が展開されています。
「教員の「数」より「質」の向上こそ重要な政策課題であり、今後は、何をすれば「付加価値」を高められるのかを把握する研究が必要。」(埼玉県学調からウィズコロナ時代の公教育を考える @埼玉県総合教育会議(2022年2月8日)より)という一文があります。
これ、、、「教員不足」「学校現場は人手が足りていない」という話と真っ向から対立するように見え、、、るんですが、実際には、、、
この話に繋がってくるはずで。
目前ではないかもしれないけれど「今動いていないとヤバい」ことにつながる気がします。
個人的には、北海道教育委員会の「12月に教員採用試験(教育教養)をする」のに反対です。
まず、確保して、、、は危険な気がしてます。
まとめず、おわりm(_ _)m
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