「LD(学習障害)なんですが教えられますか?」というお問い合わせが、たまにあります。
、、、問い合わせ自体がたまにしか無いというお話はおいておきまして。
問い合わせで聞かれるお話の半分は「発達障害がある/あるような/ないかもしれないけど」という発達障害に関したお話で、残りの半分の半分くらいが「学習障害がある/それっぽい」というお話(残りは「この高校に行きたいけど、どうしたらいいですか?」というガッツリ学習のお話)でして、、、。
特に表立って「発達障害の生徒教えています」と書いていない頃から、、、
何故か「グレーゾーン」だったり「発達障害の診断があるんですが、、、」というご家庭からのお問い合わせを多々いただいてました。
あ、同じくらい「ただただサボってやってないだけなんですが、、、」というお問い合わせもいただいているかもしれません(私の中では「ガッツリ教える」の範疇に入るパターンor「発達障害じゃないけど、同じように教える」と伸びるパターン、に分けて考えていたりします)。
学習障害って?
昔はLearning DisabilityだったのがLearning Disorderに変わりまして(日本語訳は変わらず学習障害)。Disabilityだと「能力(ability)が無い」と捉えられるわけですが、Disorderだと「要求(order)に応えられない」と捉えることできるので、、、より実態に即してる言葉になったのかなー、と思いつつ。
、、、でも実際にDisabilityの状態じゃないかなー、という状況も見ているので、正直なところは「なんとも言えない」んですよね、、、。
で、最近は「学習障害」ではなく「限局性学習症(SLD)」と呼ぶようで、、、用語が錯綜してる感じで、今回のお話の中では「学習障害」で統一してお話して行こうかと思っています。
医学的な・医療的な範疇の用語はちょっとわかりにくいですが、色々考えがあって変更されている、のは間違いなくて、、、。用語はさておき、学習障害の定義を少し見ておきたいと思います。
学習障害の定義
というのが、文部科学省が定義している「学習障害」です。
他にも色々あるんですが、、、、
「ICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)」と「DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル)」の定義が一番わかりやすいかな、と思います。
どちらの分類でも「読字障害(ディスレクシア)」「書字障害(ディスグラフィア)」「算数障害(ディスカルキュリア)」の3つに関して「学習障害(特異的発達障害・限局性学習症)」と呼んでいます。ただ、それ以外に「混合しているパターン」「何かわからないパターン」もあるみたいで、、、単純に「読み・書き・計算」だけのお話にはしにくいのかなー、と思っています。
学習障害を教える
ずいぶん前にも書いたよーな気がするのですが、、、
「学習障害だから、スゲー特別な教え方をする」ことは無いです。
無いんですが、「教え方は違う」、、、という変なことになるんです。
基本的な「教え方」は学習障害だからといって変わることはありません。
「問題集を使い、解説をして・問題を解いてもらって・できない問題をもう一度やり直し」という教え方は変わらないです。
「教え方として違うところ」は、できないところを見極めるわけでして、、、。
例えば、文章題を教える時。
という問題を解く時。
まずは、問題文を読んでもらって「何が起きたか」を話してもらいます。
→ 躓かず読めているか・兄と弟が逆になってないか・距離、速さが問題文見ないで出てくるか、などをチェックします。
それ以外に「身体の動き」、例えば、指で文字を追って読むか・目が文字を追えてるか(ふらふら目線が変なところにいかないか)・足がブラブラすること、体が揺れることがあるか、をチェックして、、、。
読むことが難しそう
読むことが難しそうであれば「指で追う」「定規(リーディングトラッカー)を使う」ことだったり「音読してみる」だったりをして「状況の切り分け」をします。
→指で追って読めるなら「ディスレクシア」があるかもしれないけれど「一人で読むことはできる」と思われます。
指ではダメだけど定規使えばいけるなら、これも「ディスレクシア」があるかもしれませんが「一人で読むことはできる」だろう(ただし、本人がそれを恥ずかしがるのであれば、学校でどうするといいかは考える必要があるかもしれません)と言えるわけで、、、、で、あれば「学習障害(この場合はディスレクシア)があるけれど、学習(読む)方法がわかればできるかもしれない」という状況だろう、と。
読めるけど、意味がわからない
自分で指で追って読めるんだけど、意味が入ってこない場合は「音読」が効くこと多いです。視覚的な入力が弱いと考えられるので、自分の声であっても聴覚的に入ってくると「意味が取れる」可能性があります。
→ この場合、学習障害ではないかもしれませんが、WISC-IVやWISC-Vで「項目で大きく差が出る」タイプかもしれません(学習に困難を抱えることが多いです・パターンごとに違いが指摘されています。参考書籍:日本版WISC-IVによる発達障害のアセスメント ‐代表的な指標パターンの解釈と事例紹介)。
兄・弟が逆になる(読み取れていない)
兄・弟が逆になるのは「読み取りがテキトー」な状況です。適当(意味:適していて・当然な状態=ちょうどいい)ではなくテキトー(意味:ちゃんとしていない)の方ですね。
この場合「何となく読んでいる」≒「目が滑ってる」状況で、これが「ディスレクシア」が原因なのかどうかはわかりませんが、「ちゃんと読んでいない」=「何となく塊になった文字の意味を並べてるだけ」なので、何となく意味が通じるような感じですが「わかって読んでいない」ことが多いです。
→ 意味の区切りで文を区切れるか、確認した上で(文に斜線を入れさせる)もう一度読んでもらって「どんな話か」をもう一度話してもらいます。
距離と速さが問題を見ないで出てくるか
これはもう、、、「短時間で忘れてしまわないか」と「気をつけて読んでる」の確認です。
問題文読む→聞くの間で「忘れる」はずが無いので「気をつけて読んでない」と考えられます。
まれに「読んで覚えようと思ってるのに、忘れる」生徒さんがいまして、、、。
→ この場合数字に線を引く・丸で囲う・色を付ける、といった事をするよーにしてます。
そのときに「兄・10時・分速30m」に同じ形(1重線や○)で、「弟・5分後(10時5分)・分速200m」に同じ形(二重線や△)で、印をつけると「後からまとまりに気がつきやすい」です。色をつけることできる場合は色付きの方が楽な生徒さん居ます。形での認識が難しい(もしくはそもそもキレイに線・○が書けない)場合は4色ボールペンで色つけるといいようです(問題はテストで使えない技だというところです)。
重要なのは「なんでも線を引けばいい」にさせないことです。「できるだけ短く、必要なことだけに線を引く練習」をさせないと「問題を解く」に行き着かないです。
困ったことに「いきなりやってできる生徒」はほぼ居ないです。、、、できないので、問題のたびに「大事なところに線を引く」を言い続ける・やってなかったらやらせる、が重要です。
「ダレる・やらない・進まない」であっても言い続けないとダメな場合あります。難しいのは「ホントにできない」なのか「面倒くさがってやらない」のか、を見極める、、、ところです。できないのにやっても「できるようにならない」ので、、、。
、、、ここまでが問題を解くための準備段階のお話です(笑)。
まだ、問題を解くためのお話には至ってない状況で「できないことを見極める」がこのくらいあるわけでして、、、。
あ、勘違いしないでいただきたいのが「常に」「全部」やってないです。
生徒さんが苦手な問題の時だけ「全部」やる、生徒さんの調子がイマイチの時だけ「常に」やる、、、みたいな感じで、、、じゃないと教える側が死んでしまいます(笑)。
とはいえ、最初の数回は「常に・全部」やってますね、そうじゃないと「その生徒の状況が把握できない」ので。
問題を解く時、、、のお話は次回以降にでも。
今回は長くなったのでここまでにしますm(_ _)m
(つづく)
入塾・家庭教師について
発達障害なの?学習障害なの?という疑問は、、、病院で診断してもらうのが一番です。
ただ、対処する方法論は「発達障害だから」「学習障害だから」で大きく違いはないです(細かくは、あります。上で書いたように)。わかって教える先生は各所にいらっしゃいます(旧Twitterでよくみます)が、身近に、、、いないなら一度お声がけいただければ、お手伝いできるかもしれません。
面談・体験授業からスタートしています。
個別のお問い合わせもこちらからお願いします。
- お問い合わせ(メールフォーム)
- 公式LINE「札幌の家庭教師屋さん」(←で公式LINE登録できます)
- お電話 050−5318−8393
よりご連絡ください。よろしくお願いします。
家庭教師がつくる塾BASEホームページ
札幌の家庭教師屋さんホームページ も御覧ください。m(_ _)m
コメント