学習障害の生徒に教える、という話。

「LD(学習障害)なんですが教えられますか?」というお問い合わせが、たまにあります。
、、、問い合わせ自体がたまにしか無いというお話はおいておきまして。
問い合わせで聞かれるお話の半分は「発達障害がある/あるような/ないかもしれないけど」という発達障害に関したお話で、残りの半分の半分くらいが「学習障害がある/それっぽい」というお話(残りは「この高校に行きたいけど、どうしたらいいですか?」というガッツリ学習のお話)でして、、、。

特に表立って「発達障害の生徒教えています」と書いていない頃から、、、
何故か「グレーゾーン」だったり「発達障害の診断があるんですが、、、」というご家庭からのお問い合わせを多々いただいてました。

あ、同じくらい「ただただサボってやってないだけなんですが、、、」というお問い合わせもいただいているかもしれません(私の中では「ガッツリ教える」の範疇に入るパターンor「発達障害じゃないけど、同じように教える」と伸びるパターン、に分けて考えていたりします)。

ちなみに、ウチの講師のはしもと先生は「発達障害・グレーゾーン・不登校」を中心にした家庭教師をしています。
「完全不登校で家から出ること難しい」とか「発達障害が強めに出ていて授業についていくことが難しい」時、はしもと先生にお願いすることがあります。
私(すぎやま)が教えることも多いのですが「年齢が生徒に近い方がいい」という場合(ケースバイケースなので、一概に言いづらいですが)に、はしもと先生にお願いすることが多いです。
年齢が近い先生だと「ロールモデル」になりやすいので「学習方法」や「生活」の方法を理解しやすい場合が多い(という経験則)ので、そうしています。

学習障害って?

昔はLearning DisabilityだったのがLearning Disorderに変わりまして(日本語訳は変わらず学習障害)。Disabilityだと「能力(ability)が無い」と捉えられるわけですが、Disorderだと「要求(order)に応えられない」と捉えることできるので、、、より実態に即してる言葉になったのかなー、と思いつつ。
、、、でも実際にDisabilityの状態じゃないかなー、という状況も見ているので、正直なところは「なんとも言えない」んですよね、、、。
で、最近は「学習障害」ではなく「限局性学習症(SLD)」と呼ぶようで、、、用語が錯綜してる感じで、今回のお話の中では「学習障害」で統一してお話して行こうかと思っています。
医学的な・医療的な範疇の用語はちょっとわかりにくいですが、色々考えがあって変更されている、のは間違いなくて、、、。用語はさておき、学習障害の定義を少し見ておきたいと思います。

学習障害の定義

学習障害とは、全般的に知的発達に遅れはないが、「聞く」「話す」「読む」「書く」「計算する」「推論する」といった学習に必要な基礎的な能力のうち、一つないし複数の特定の能力についてなかなか習得できなかったり、うまく発揮することができなかったりすることによって、学習上、様々な困難に直面している状態をいいます。

というのが、文部科学省が定義している「学習障害」です。
他にも色々あるんですが、、、、
「ICD-10(疾病及び関連保健問題の国際統計分類)」と「DSM-5(精神障害の診断と統計マニュアル)」の定義が一番わかりやすいかな、と思います。

Wikipedia「学習障害」より、抜粋

ICD-10では、学力の特異的発達障害(Specific developmental disorders of scholastic skills)と呼び、特異的読字障害特異的書字障害算数能力の特異的障害学習能力の混合性障害その他の学習能力発達障害、学習能力発達障害詳細不明 に細分されている。

DSM5では、限局性学習症/限局性学習障害(SLD、Specific learning disorder)と呼ぶ。DSM-IV-TRで細分していた障害は、包括され重なる病態(スペクトラム)として再定義された限局性学習障害の1形態となり、読み書き計算という領域を示す識別語を付加して示されるものとなった。また重症度を軽度・中度・重度の3段階に評価するようになった。

どちらの分類でも「読字障害(ディスレクシア)」「書字障害(ディスグラフィア)」「算数障害(ディスカルキュリア)」」3つに関して「学習障害(特異的発達障害・限局性学習症)」と呼んでいます。ただ、それ以外に「混合しているパターン」「何かわからないパターン」もあるみたいで、、、単純に「読み・書き・計算」だけのお話にはしにくいのかなー、と思っています。

学習障害を教える

ずいぶん前にも書いたよーな気がするのですが、、、
「学習障害だから、スゲー特別な教え方をする」ことは無いです。
無いんですが、「教え方は違う」、、、という変なことになるんです。

基本的な「教え方」は学習障害だからといって変わることはありません。
「問題集を使い、解説をして・問題を解いてもらって・できない問題をもう一度やり直し」という教え方は変わらないです。
「教え方として違うところ」は、できないところを見極めるわけでして、、、。

例えば、文章題を教える時。

家から駅まで1200mある。兄が10時に徒歩で家を出て駅に向かった。5分後に弟が自転車で追いかけて、20分後に追いついた。兄が分速30m、弟が分速200mだった時、家から何m地点で追いついたか?

という問題を解く時。

まずは、問題文を読んでもらって「何が起きたか」を話してもらいます
躓かず読めているか・兄と弟が逆になってないか・距離、速さが問題文見ないで出てくるか、などをチェックします。
それ以外に「身体の動き」、例えば、指で文字を追って読むか・目が文字を追えてるか(ふらふら目線が変なところにいかないか)・足がブラブラすること、体が揺れることがあるか、をチェックして、、、。


読むことが難しそう

読むことが難しそうであれば「指で追う」「定規(リーディングトラッカー)を使う」ことだったり「音読してみる」だったりをして「状況の切り分け」をします。
指で追って読めるなら「ディスレクシア」があるかもしれないけれど「一人で読むことはできる」と思われます。
 指ではダメだけど定規使えばいけるなら、これも「ディスレクシア」があるかしれませんが「一人で読むことはできる」だろう(ただし、本人がそれを恥ずかしがるのであれば、学校でどうするといいかは考える必要があるかもしれません)と言えるわけで、、、、で、あれば「学習障害(この場合はディスレクシア)があるけれど、学習(読む)方法がわかればできるかもしれない」という状況だろう、と。


読めるけど、意味がわからない

自分で指で追って読めるんだけど、意味が入ってこない場合は「音読」が効くこと多いです。視覚的な入力が弱いと考えられるので、自分の声であっても聴覚的に入ってくると「意味が取れる」可能性があります。
→ この場合、学習障害ではないかもしれませんが、WISC-IVやWISC-Vで「項目で大きく差が出る」タイプかもしれません(学習に困難を抱えることが多いです・パターンごとに違いが指摘されています。参考書籍:日本版WISC-IVによる発達障害のアセスメント ‐代表的な指標パターンの解釈と事例紹介)。


兄・弟が逆になる(読み取れていない)

兄・弟が逆になるのは「読み取りがテキトー」な状況です。適当(意味:適していて・当然な状態=ちょうどいい)ではなくテキトー(意味:ちゃんとしていない)の方ですね。

この場合「何となく読んでいる」≒「目が滑ってる」状況で、これが「ディスレクシア」が原因なのかどうかはわかりませんが、「ちゃんと読んでいない」=「何となく塊になった文字の意味を並べてるだけ」なので、何となく意味が通じるような感じですが「わかって読んでいない」ことが多いです。

→ 意味の区切りで文を区切れるか、確認した上で(文に斜線を入れさせる)もう一度読んでもらって「どんな話か」をもう一度話してもらいます。


距離と速さが問題を見ないで出てくるか

これはもう、、、「短時間で忘れてしまわないか」と「気をつけて読んでる」の確認です。
問題文読む→聞くの間で「忘れる」はずが無いので「気をつけて読んでない」と考えられます。
まれに「読んで覚えようと思ってるのに、忘れる」生徒さんがいまして、、、。
→ この場合数字に線を引く丸で囲う色を付ける、といった事をするよーにしてます。
そのときに「兄・10時・分速30m」に同じ形(1重線や○)で、「弟・5分後(10時5分)・分速200m」に同じ形(二重線や△)で、印をつけると「後からまとまりに気がつきやすい」です。色をつけることできる場合は色付きの方が楽な生徒さん居ます。形での認識が難しい(もしくはそもそもキレイに線・○が書けない)場合は4色ボールペンで色つけるといいようです(問題はテストで使えない技だというところです)。

重要なのは「なんでも線を引けばいい」にさせないことです。「できるだけ短く、必要なことだけに線を引く練習」をさせないと「問題を解く」に行き着かないです。
困ったことに「いきなりやってできる生徒」はほぼ居ないです。、、、できないので、問題のたびに「大事なところに線を引く」を言い続ける・やってなかったらやらせる、が重要です。
「ダレる・やらない・進まない」であっても言い続けないとダメな場合あります。難しいのは「ホントにできない」なのか「面倒くさがってやらない」のか、を見極める、、、ところです。できないのにやっても「できるようにならない」ので、、、。



、、、ここまでが問題を解くための準備段階のお話です(笑)。
まだ、問題を解くためのお話には至ってない状況で「できないことを見極める」がこのくらいあるわけでして、、、。

あ、勘違いしないでいただきたいのが「常に」「全部」やってないです。
生徒さんが苦手な問題の時だけ「全部」やる、生徒さんの調子がイマイチの時だけ「常に」やる、、、みたいな感じで、、、じゃないと教える側が死んでしまいます(笑)。
とはいえ、最初の数回は「常に・全部」やってますね、そうじゃないと「その生徒の状況が把握できない」ので。

問題を解く時、、、のお話は次回以降にでも。

今回は長くなったのでここまでにしますm(_ _)m
(つづく)

入塾・家庭教師について

発達障害なの?学習障害なの?という疑問は、、、病院で診断してもらうのが一番です。
ただ、対処する方法論は「発達障害だから」「学習障害だから」で大きく違いはないです(細かくは、あります。上で書いたように)。わかって教える先生は各所にいらっしゃいます(旧Twitterでよくみます)が、身近に、、、いないなら一度お声がけいただければ、お手伝いできるかもしれません。

面談・体験授業からスタートしています。

個別のお問い合わせもこちらからお願いします。

家庭教師がつくる塾BASEホームページ
札幌の家庭教師屋さんホームページ も御覧ください。m(_ _)m

この記事を書いた人
すぎやま

札幌の家庭教師屋さん・家庭教師がつくる塾BASEの人
名古屋出身・富山大学卒・富山で小学校講師・北海道で公立高校教員・家庭教師をしていたら塾ができていました。

すぎやまをフォローする
教え方
シェアする
すぎやまをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました