チョークと黒板(黒板とノート)の話

ちょっと前からQuoraという質問サイトで回答しています。主に教育論への回答をしているのですが、なかなかに面白い質問が多く回答を考えるのにも時間がかかってなかなかに大変だったりします(笑)。

で、今回「チョークと黒板で授業を行うメリットはありますか?」という質問への回答を考えていたらそれなり以上の長さで、、、こっちに書いてしまいます。

この時期だからこそ黒板からオンラインへ?

このコロナの今、大学は今年度オンライン授業を中心にシフトしました。札幌市内の私立高校でも新陽高校の取り組みが有名ですね。その他私立中高一貫校はどこも色々なオンライン授業の方法を取り入れてチョークと黒板だけではない方法を模索している様子が塾/家庭教師からも(生徒を通じて)見えました。

ただ、どのくらい「効果を検討/検証しているのか」はクエスチョンマークが付くところかなー、、、とも思っています。
実際、オンライン授業が6月末まであった高校生(ウチの塾にいる子です)はその間に進んだ数学の問題は解くことできるんですが、「何故それがそうなるのか」までの理解ができていない状態です。あ、もちろんオンライン授業の形で「しっかり理解できている生徒もたくさんいる」と思いますが、その生徒さんの場合「オンラインだと理解することが難しかった」という話です。
つまり、向き不向きがあるんですよね、オンラインかつ家でやるってのには。
家で勉強できないけど、近くのマクドナルドだと勉強できる、というのも「家(部屋)の中だと気が散るもの(自分の好きなもの)が多々あって集中して勉強できる環境じゃない」というやつですよね?
その上、「周囲の目があると何となくやらなきゃなー」というプレッシャーがかかる。
オンラインで家、、、この2つができない状況で、そこに向き不向きが明確に出てくるのかなー、と。

本論「チョークと黒板」の話

脇道からスタートしましたが、、、
つまるところ学習(教える)方法には「向き不向きがある」のです。それはどんな方法であっても必ずあるわけです。

「チョークと黒板」のメリット

目の前で同時進行で行われる集団授業形式であること(オンラインではない、ということ)が大きなメリットでしょう。「周囲の目がある」かつ「自分の部屋ではない(緊張をある程度強いられる)」で、評価者(先生)が授業を行っているという適度な緊張感(慣れると無くなるやつですね(笑))が生まれるわけです。その状況は、一般的に集中しやすくなって記憶に入りやすい・理解しやすい状況かな、と。
それは何にも変えられないメリットではないかなー、と思うわけです。

目の前に教える人が居る → わからない時にすぐに聞ける/わからないで困っている時に教えてくれる、という面も忘れないでおきたいポイントです。小学生の頃をイメージするとわかりやすいでしょうか?机間巡視と言って授業しながら・板書の間に生徒の机の間を歩き回ることで「手が止まっている」とか「わからなくなっている」を見つけることが可能で、、、オンラインだと自己申告しないと「わからない状況が(先生に)わからない」ことが多いように思います。あ、もちろん問題を解いた結果を見て「わからないを把握する」ことはオンラインでも可能です。でもそれは「チョークと黒板」でもできますよね?

つまり、現状のオンライン授業はまだ「チョークと黒板の延長線上」にあるものが大半で、オンラインでなければできない授業形式になっているものはかなり少ない(し、その大半は大学の授業の)ようです。

で、あれば先生たちとしては無理してオンライン授業に変換する必要無く、、、「チョークと黒板」で十分だと感じるのではないかなー、というのが1つ目のお話でした。

対比相手を変えてみる(こっちが本論かもしれない)

上の文は「今の時期だからオンライン授業・チョークと黒板の対比で聞いているのかなー」という話でした。

そうではなく、学校の授業自体をデザインし直すお話、、、としてをココからは書いておきます。
ここ最近、黒板とノートの話を連続で書いていました。

授業の方法論(評価論)としては「チョークと黒板」というか「黒板とノート」という面があるわけです。
授業をする意味の中に「授業を自分で復習できるものを作らせる(=ノートを取らせる)」があったんですが、今はそれが「ノートを提出することが点数になる」ので「ノートを取るために授業を受ける」という本末転倒なことが起きている、、、というお話を書いていました。

ノートを取るための授業ではなく、内容を理解してもらう授業

本来は授業の内容を理解するためにノートを取る必要があるんです。

ノートを取ることを重視しすぎて内容を理解してるかどうかではなく「ノートを点数化してくれるからキレイに書く」という授業になってしまっている、という現状を「チョークと黒板の授業」と表現するなら、対比する相手はオンライン授業ではなく「内容理解しやすい(チョークと黒板ではない)授業」になるわけです。

この視点に立って話をすると「チョークと黒板型の授業」はメリットよりもデメリットの方が大きくなるわけです。

ノートを評価することが今までは(過去は)評価できない生徒を救うものだったのが、逆手にとって(悪用されて?)点数を稼ぐ手段になり、ノート評価の方法やノート評価自体をやめていく流れになる、、、のかなー、という感じです。

https://jp.quora.com/日本の学校教育では-ノートを取ること-が成績評価で/answers/246504530

と書きました。
「評価方法が変わる」か「授業の方法が変わる」ことになるんだろうなー、と考えています。
「チョークと黒板」ではなく、討論型の授業(テーマについて教員対生徒、生徒対生徒で話を進めて行く)や仮設(実験)検証型の授業が中心になっていくのかなーと考えるのです、、、が。

「、、、が」

結局、「チョークと黒板」という道具を使わないことは無いと思います。
「チョークと黒板」の代わりに「パワポと液晶プロジェクター」はあると思いますが、それは置き換えただけで、同じもので、、、。

生徒からしてみれば、討論型だとしても仮説検証型だとしても「黒板に書かれたこと」+「教員が話すこと」が授業で、自分が学ぶために板書をノートを残すことも変わらない、、、という気がするのです。

道具としての「チョークと黒板」は生き残ると思いますが、授業形式としての「チョークと黒板型授業」(=板書をノートに書かせることを優先させてしまう授業)は少しずつ変わっていって欲しい、と思っています。

まとまらず

絶対にオンライン授業になる必要も絶対にデジタルになる必要も無いと思います。どの方法が良いのか選べるようになるのが理想だと考えていますが、教員の人数や今の状況(1人1台PCがあるわけではない、家庭ごとにネット回線が異なる)を考えると、、自分にあった授業の形を選べるようになるのはもう少し未来の話なのかなー、とも思っています。

チョークと黒板にメリットがあるか、と聞かれれば「メリットがある」し「この先もチョークと黒板だろう」と答えます。それは道具としても「目の前で同時進行で行われる集団授業形式」だという部分の両方において現状の学校において(おそらくは)最も良い方法だろうと思うからです。
これが変わるには全家庭に学習用PCがあること、全国共通の授業動画(義務教育部分)ができて通信制義務教育が可能になっていることが条件になってくるかなー、と思います。なんせ、チョークと黒板の授業を6歳〜15歳まで、人によっては大学卒業まで受けているわけです。そうして成長した大人がチョークと黒板から離れるのは難しいと思うわけで、、、。

教育方法や教育論は誰かが何かしたから変わるものではなく、その教育を受けた人がつないで行くことで定着して行く、、、長い期間かかるものだと思います。

色々と書きましたが、義務教育の時代から「チョークと黒板ではない方法」を受けている世代が増えていかない限り、しばらくこのままだろう。というオチです。
まとまらず、終わりm(_ _)m

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今の学校の学習方法・チョークと黒板(とノート)が合わない生徒さんはたくさん居ます。ノートを取れない、ワーク提出が厳しい、、、という生徒さんにとって、授業方法が選べると楽になるのになー、と思っています。
あ、ウチの塾とか家庭教師だと、その子に合わせてやります。そう、宣伝です!(笑)

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