2024年・共通テスト「生物」のお話。

共通テスト、解説を、、、と思ってましたが、全部書くとトンデモナイ量になるので、、、。
大雑把なお話だけにしておきます。

第1問 糖代謝に関する問題

代謝と聞いて「解糖系ークエン酸回路ー電子伝達系」とか「好気呼吸・嫌気呼吸」といった用語は思い浮かびますか?
C6H12O6 + 6O2 + 6H2O→ 6CO2 + 12H2O + 38ATP という反応式は理解してますか?
ATPは、解糖系で2個・クエン酸回路で2個・電子伝達系で34個できるんでしたよね。
、、、という知識があれば、問1は簡単ですね。

「オペロン」は大丈夫?
オペロン=構造遺伝子のこと。キシロース分解酵素をつくるための部品が全部入ってる遺伝子を「オペロン」と呼んでいる。(キシロースオペロンが発言すると、キシロースが減っているので、分解酵素が生成されていると考えられる)

ので、問2はオペロンの基本知識があればあとはグラフ・表を見て「合ってるか、間違ってるか」を判断するだけ(リプレッサーとか、オペレーターとかは「DNA→タンパク質発現」で理解して覚えているハズ)ですよー。

図1のグラフでは、グルコースが先に無くなるので、グルコースが先に消費されることがわかる(し、生物の大半はグルコースを代謝するわけですので、キシロースが後なのはごく当然ですよね?)。
図1(野生株)と図2(変異株M)のグラフを比較すると図1の方が細胞の増殖が早いのがわかります、、、よね?(ここまで問2)

問3は「仮説検証」です。知識がなくても解けます。→論理パズルです。論理的に言ってることが正しいかどうかだけ考えればOKです。

仮説

「キシロースオペロンはキシロースが存在すると発現するが、グルコースが存在するとキシロースが存在しても発現は抑制される」

「しかし、キシロースオペロンの発現はグルコースのみによって制御される」可能性も考えられる。

検証

これを検討(否定・肯定)するために必要な実験を考えると、、、。

  • グルコースだけの力を考えたいので「キシロースが培地に入っていない」ことが大事。
  • 「グルコースだけの培地でキシロースオペロンが発現するか」
    →発現したら、グルコースのみで制御される・発現しなかったら、グルコースは発現を抑えることがわかる
  • 「何も含まない培地でキシロースオペロンが発現するか」
    →発現したら、グルコースは発現に関係していない・発現しなかったらグルコースが発現に関係している

(たぶん、グルコースだけの培地→発現しない・何も含まない培地→発現する、となって、グルコースのみで制御はされていない、と言えるだろう)

と、いったように「問題を解くために必要なこと」は多岐にわたっていて、、、生物で受験をすることを考えると「好きで覚えている」じゃないと難しいことが多いかなー、と思います。

第2問 生体膜の問題

ここからは、簡単に、、、サクッと書いていきます。

半透膜・浸透膜・全透膜、の知識や「脂質二重膜」の構造がわかっていること
膜上タンパク質だったり、チャネル・ポンプ、の働き、構造を理解していること

細胞膜を挟んでイオンの濃度差によって「電位差」があって、それが「活動電位」=「神経信号」を生むこと
静止電位と活動電位・興奮、電位に使われるイオン

を覚えていることが必要。

第3問 筋肉の問題

骨格筋・横紋筋・筋原線維・筋繊維・筋細胞、サルコメア・明帯・暗帯、、、筋肉の用語は覚えている?
アクチン・ミオシン、滑り説、筋肉の収縮の基本構造、、、
筋肉を網羅的に覚えているか、いないか、を問われてます(この時点でお気づきでしょうが、どの問題も「ただ覚えた」程度では解けない問題が隠れていて、「他の分野との連携・連続性」まで覚える必要があって、、、生物は受験で点数取りにくいと言われるわけです)。

第4問 植物・環境応答(環境系)の問題

問1は、有性生殖・無性生殖の話(塊茎で増える:栄養生殖)ですが、自然環境で「有性生殖をするのか・無性生殖をするのか」を条件ごとに考える、、、わけです。
有性生殖は「親と子で遺伝子が異なる」→同じ病気で死滅しにくいわけです。あとは「自分以外から受精する必要がある(自家受精だと遺伝子が同じパターンが多くなる)」わけです。この辺り「有性生殖・無性生殖の特徴」を覚えていれば簡単ですね。

問2「光周期」の問題。明期・暗期の条件を理解できれば解答できる。
問3は「論理的に考えれば解ける」=「論理パズル問題」ですね。何をどう比較すれば実験が成り立つのか、何をどう計算すれば求めたいものが表せるのか、「論理的に考える」と答えが出ます。

第5問 生態系の問題

生態系・環境の問題は生物基礎にも出ていましたね。生物になると生物基礎よりももっと細かい知識を問われる問題がでてますね。

問1、聞かれてることがわかるかどうか、、、。読解力も求められますね。
「光合成をおこなう器官(=葉っぱ)」=「同化器官」、「おこなわない器官」=「非同化器官」としてますね。
ってことは「高さが高いほど、同化器官は多い」ハズ(一部例外はあるけれど、木は上の方に葉が付いていて、そこで光合成してる)ですね。ところが、、、それを表しているグラフ(aとb)の同化器官はどちらも「高いところが多い」になっていない → 森林全体の同化器官の量を見ている → 木の高いところと草の高さのところだけ同化器官ある、と見る。
照度は木の高いところにある葉で遮られるので、急激に照度が減る(0.8付近で急激に減る)ものが正解になる。

第6問 多様性・進化の問題

これも生物基礎で出てますね。生物多様性の話は近年話題に上りやすいので、、、出題も多いような気がします。

問1の動物の定義は、、なかなか。
胚葉3つの話(外胚葉・中胚葉・内胚葉)は、動物の定義に使われるとか、気にしたことが無いんじゃないか、、、→定義に使えるなら「授業・教科書でそう書いているハズ」と気がつけば問題なし。

問3、問4、、遺伝のシミュレーションです。唐突に。「遺伝子頻度」
初めて見るもの、、、は「論理的に考えて解く」です。遺伝は論理的に起きている(ルールがある)ので、一個ずつ考えていけば解けます(時間はかかるかもしれないですが)。

問題全体を通して

生物は受験に利用しないほうが良い・点数が取りにくい、という話は聞いたことがあるかもしれません。
実際、生物の平均点は例年物理や化学より低いことが多く、特に高得点(80点以上)を狙う場合は物理や化学の方が取りやすいだろうと(元・生物教員も)思います。

今回の共通テスト生物もご多分に漏れず、、、「覚えている事」が大量に必要、且つ、「論理的に考える事」も必要でした。
解説を詳しく作らない理由も「書くべきことがトンデモナイ量になる」からでして。
生体膜の問題と筋肉の問題は「活動電位」だったり「アクチン・ミオシンの滑り」といった「言葉だけではなく何が起きているか全部記憶している」という「覚えている」じゃないと解けないわけで、その説明は「図とグラフと凡例」が大量に必要でして、、、全部書いたら「1冊の本」になるわけです(笑)。

、、、そんなので受験したいです??
いや、でも生物ってスゲー面白いんですよ、ホントに。だから「楽しんで覚える」ことをしたいなら生物で受験をオススメします。一つ覚えると「次・その次」が想像できる(予測できる)んですよね。そのつながりが最初から最後続くのが楽しいわけです。

ミクロからマクロまで、スゲー面白いのが生物の良いところです。
まだまだ解明されていないことが多い学問でもあるので、ぜひぜひ学んで欲しいなーと思いつつ、点数取るなら生物じゃないほうが90点以上取れるけどなー、、と思ってます。

終わり。

この記事を書いた人
すぎやま

札幌の家庭教師屋さん・家庭教師がつくる塾BASEの人
名古屋出身・富山大学卒・富山で小学校講師・北海道で公立高校教員・家庭教師をしていたら塾ができていました。

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