教員不足というか人手不足というお話

文部科学省が「2022年度教員勤務実態調査」を出してから、各所で「教員不足」のお話が出ています。
先だっての「ワイドナショー」でも教員不足の話が出て、、、「金八先生頑張りすぎ」とかいう話が出たりしていて、、、、。

教員不足、ちょっとお話しておこうと思います。

教員不足?

そもそも、教員は不足しているのか、、、というところ。
実は、小学校・中学校で「先生が足りない」というのは道内だとそこまで多いわけではないと思われます。

文部科学省作製PDF・「教師不足に関する実態調査教師不足に関する実態調査」より
文部科学省作製PDF・「教師不足に関する実態調査教師不足に関する実態調査」より

全道で不足人数は、小学校18名(5月1日時点・4月当初は30名超えてました)、中学校18名学校数で見ても10校程度、、、と決して多いわけではないわけです。

ところが、、、教員が足りていない(人が足りない)んです。

でも足りてない。

本来、1人では終わらない仕事量のハズなのに「残業する」ことで1人で1.5人分の仕事をしていて、、、定員は満たしているのに「手が足りない」=仕事量が多すぎるというのが今の学校の状況です。

コロナ禍になって「教室内の除菌」「体温の管理」も先生の仕事になりました。
ここ数年だけでも、小学校で英語が始まって、プログラミングを教えつつ、PCの管理もして、除菌と体温管理、が増えた仕事です。
さらに「インクルーシブ教育」ということで「発達障害」「特別支援教育」についても自学する必要があるわけで、、、。

1人でやる仕事量じゃなくなってきているわけで、、、
→ 「先生の仕事量が多くなってる」という認識は社会全体に広がってきているように感じています。

更に、教員になる人が減ってる

ここ数年、教員採用試験の倍率が下がってます。→ 根本的に「先生になりたい人」が減ってます。そりゃ、そーですよね(笑)。仕事量増えるし、給料すげー良いわけじゃないし、、、大変な仕事ですからね。

北海道の教員の年齢構成をみると、20代〜30代が少なく、40代〜50代が多くなっていて、、、ここから「退職者が増える」ことが予想される状況、、、というか既に「退職者が多い」状況に入っています。

きょうさい対策ブログ「教員の年齢構成」より

その結果、年々教員全体の数は減っていっている、、、ような気がしています。
その分、学校も減らしている(特に高校は統廃合が進んでいます)ので、教員数は減っても「定員は満たしている」状況が続いているような気がしています。

ちなみに、「教員採用の倍率」が下がると、、、

今まで合格できなかった学力の人が「教員」になることができているわけです。
嫌な表現ですが「今までの人ならできていた仕事ができない人が合格する」ということが起きていて、、。これも教員不足(実質的な仕事ができていない、という不足)の一つになりつつあるようです。

休む先生も居る

産休や家庭の事情、体調・病気・怪我などで年度途中から休む先生は、必ずいます。
その関係なのか、、、例年「2〜3月と8月」に「講師できませんか?」という問い合わせが来ます。
2、3月は「開始から」なんですが「8月から」は「後期(10月)から」ということで、、、私が期限付教員してた時、何度か「半期(10月〜3月)」の辞令をもらったことありますし、4月15日スタートの辞令も数回もらってます。

半期の場合は、大半が予定された休みで、、、例えば産休だったり、進学(大学院)のこともありました。当初から予定されていた休みで、、、それは誰にでもあることで「それを見越して先生(社員)を雇う」ことが求められているハズで。ところが、学校はそこまで人を雇っておくことができないので「臨時講師」で乗り越えてきたわけです。

私が教員をやめてから、ほぼ毎年どこからか「常勤講師・時間講師をしませんか?」という連絡が来ます。ここ数年は私よりもはしもと先生に話を持っていくのではしもと先生の方が連絡来ているかと思いますが(笑)。
特にここ数年は「理科の先生いませんか?2人」とか「英語の知り合い居ない?」とか「国語が、、、」と「理科教員をしていたすぎやま」に他教科の話をしてくるくらいに人が居ないという状況のようで。

不足するだろうという状況が続いていると、、、

教員が不足して当然だろうなー、という状況が続いています。
続いているので、それを見た学生はこうなるわけです。

トモノカイ WEBページより

教員を志望したことがある学生に「今も教員になることを志望していますか?」と聞いたところ、「していない」が25.4%、「迷っているがどちらかというと後ろ向き」が26.5%で計51.9%が教員になることを諦めたり志望度が下がったりしていることがわかりました。

トモノカイWEBページより

まあ、、、そうでしょうね(笑)。
私が教員をしているころ(10年くらい前)から「先生にはなりたくない」という生徒が増えてていましたし、私も「教員はかなり大変な仕事だから、よっぽどじゃなきゃやめておけ」と言ってました。

で、このアンケートに「8割の学生が教育実習の前に教員になることをあきらめた/後ろ向きになった」という結果もありまして、、、。
教員免許取る前に教員になるのがイヤになってるのが8割も居る状況、、、そりゃ、受験者減るだろうし、教員採用試験の倍率は下がる一方でしょう。

根本的なことを考えると人で不足なハズ

ここ数年、有効求人倍率が1.0を超える状況が続いていて「仕事はあるけど人が居ない」という状況が何となく見えつつある気がしています。
どの業界でも「人手不足」という話はよく聞くわけです。特に「キツイ仕事」→体がキツイ・精神的にキツイ、という仕事に就きたくない、、、のは誰でもそうだよなー、というところですよね、、、。

仕事は選び放題→嫌な仕事はしないでもいい。

生徒たちも大人のコピペのように「忙しいと遊べないから/家族と旅行に行けないから」「教員すると部活で土日無いから」「夜遅くまで残業は嫌だ」、、、などなど、小学生も言うんですよ、ホントに。保護者が言ってるのを聞いていて「そんな仕事は嫌」というのが出来上がっている、という感じがします。

嫌な仕事はしない、とはっきり言う生徒が大半ですね。

さらに、これだけ「人手不足」だと仕事は選べる状況にあるわけです。あー、もちろんある程度の「学力・能力」が無いと選べない状況になりますが、、、。
選べる中で「わざわざ教員を選ぶ人」は「ある一定の人数は必ず居る」状況が続いています、ありがたいことです。ただ、その人数は「全国の学校に行き渡るだけの人数ではない」状態。

→ 結果、教員が不足している、、、、というか「キツイ仕事の人手が不足」という状況なんだと思います。

まとめ

教員、不足してます。
根本的な解決が無い限り、教員志望が増えそうにはない状況です。

「根本的な解決」ってのは「忙しさが減る」「大変さが減る」というとても単純なことを解決すればいいだけ、、、。ええ、すげー大変ですね(笑)。
忙しさを減らすためには「人がたくさん必要」で、教員不足の状況では忙しさは減らないと思われるわけで、、、「仕事の精査」というか「できないこと・必要ないことはやらない」ってのを徹底するしかないわけで、、、昨今の「教員のすることが増える」という流れには反するわけで、、、さて、、どこまでできるでしょう?

今回の話を書くきっかけになったのは実はこんなtweetでした。

たぶん、学校現場+教育委員会の両方とも考え方を大きく変える時期が来た、と思います。
公立の学校の先生が「ウチで働く人」を探す状況は「末期」だと思うのです。人を探すよりも学校の仕事をするべき、、、ですよね?
教育委員会が人を探さず、ルールだけ(常勤しか募集しない)振りかざす意味は無いですよね。
どちらも、ちょっとずつズレていて。学校側が人を探すことにエネルギーを割くのは「余計な仕事を増やしている」ような気が、、、。

もちろん、管理職(校長・教頭)の先生が探すのは「絶対必要な仕事」だと思います。
→ 「教務の先生」が探すのは、、、ちょっと「仕事の範囲を出てる」んじゃないかなー、と思うわけです。

そのくらいなら、ちょっとした好意だから、良いんじゃない?というのは、私も現場に居たらそういうと思います。でも「そのくらいはいいかなー」が積み重なって今の「クソほど忙しい」を生み出しているよーな気がするんですよね、、、。
外から、強引にでも規制してでも、仕事を削る(減らす)方向に持っていかないと「それくらいはできるから良いですよー」という先生方の好意で「教員不足」が生まれるという悪循環を断ち切れない気がしています。

ホントは他にも書きたいことがあったんですが(生徒の仕事の選択の方向性が間違ってる話とか)、次回以降、、、としておきます。

まとまらず、終わりm(_ _)m

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この記事を書いた人
すぎやま

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名古屋出身・富山大学卒・富山で小学校講師・北海道で公立高校教員・家庭教師をしていたら塾ができていました。

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