教える順番のお話。

ニュートン力学より先にアインシュタインの相対性理論(や量子力学)を先にする、、、という教え方をオーストラリアの一部学校でしているようで、、、一般的な順番とは逆でやってるんですよね。

「ニュートン」より先に「アインシュタイン」を教える!?豪州で本格化する理系離れ解消の教育法 - ナゾロジー
現在オーストラリアで行われている先進的な教育プログラム「アインシュタイン・ファースト」では、小中学生の段階から時空の歪みや量子世界の奇妙な現象が教育されています。 アインシュタイン・ファーストが行われている学校では、教師たちに「ブラックホール」や「量子テレポーテーション」を子供たちに楽しく教える方法がトレーニングされて...

そんなわけで、物事を「教える順番」のお話です。

アインシュタイン→ニュートン力学

いわゆる、、、運動方程式などニュートンの運動3法則の事を「ニュートン力学」と言うのですが、、、。
対比的に、ニュートンの時代(17世紀後半〜18世紀前半)の(古い時代の)理論、という意味で用いられることが多いです。

で、一般的に力学(物理)を教える際には、歴史的に古い方から、、、というわけではなく「理解しやすい」+「数学の難しい理論を必要としない」ので、ニュートン力学から教えるのが一般的になっています。

ニュートンから教える時、大きな問題点は「ニュートン力学はホントは間違っている」という部分です。
より正確にいうなら「ニュートン力学が計算していることは近い数値を表しているだけで、本当の状態を表す計算ができていない」のです。

ですので、正しい内容を理解するためには「アインシュタインの相対性理論」や「量子力学」を学ぶ必要があります。ありますが、、、日本人の大半は「アインシュタインの話」を学ぶ前の段階、「ニュートン力学まで」で物理の学習が終わります。
その結果「物理現象の真の姿」を知らないまま、「シュレディンガーの猫」の話を「変なこというなあ」というイメージだけで、、、終わってしまうわけです。

そんなわけで、小学生くらいの時代に「実は、相対性理論ってのはね」というのを体験型授業で行って概念を理解させて、、、それから「ニュートン力学」を教えて、、、そうすることで「実際の現象がなんとなくイメージできている」「シュレディンガーの猫が理解できる」状態で進んでいくよーな方向性。

簡単に言えば「逆の順番で教える」とか「より正確な話から教える」ということで。

さて、その順番でいいのか?というのが気になってるとこ、、です。

別の科目・教科、で考えてみる。

例えば、数学。

これ、教えれる人少ないかもしれないです。小学校の先生だと、、、教えられない人居ても不思議じゃないです。高校数学で習う内容ではあるんですが。

\( 0.99999 \cdots \)は、\(0.9+0.09+0.009+ \cdots \)と書くことができるので、、、
\(0.9,0.09,0.009 \cdots \)という数列の足し算(和)と見ることができます。
0.9から0.09は\(\frac{1}{10}\)倍、0.09から 0.009も\(\frac{1}{10}\)倍なので、これは「等比数列」(\(\frac{1}{10}\)倍ずつ並ぶ数列)と言えます。

等比数列の和は\(\frac{a_n({r^n}-1)}{r-1}\)で求めることができた(\(a_{n}=初項\)、r=公比、n=項数)ので、\(a_{n}=0.9\)、\(r=\frac{1}{10}\)、\(n=\infty\)になるので、、、(そろそろ面倒くさくなって読み飛ばしてますよね、わかってます(笑))。

\(\frac{0.9({{\frac{1}{10}}^\infty}-1)}{\frac{1}{10}-1}\)という式で求められる。
さて、そうすると、、、\(\frac{1}{10}^\infty\)がいくつになるか、を考えなきゃダメでして、、、。
これは、0.1(\(\frac{1}{10}\))を2乗、3乗、、、\(\infty\)乗するとどうなるか、という計算で、、、
\(\lim_{n \to \infty} \left(\frac{1}{10}\right) ^n\)=0(0.1を累乗していくと無限に小さい数字に近づくので、、、0に近づく→0になる)。

よって、\(\frac{0.9(0-1)}{0.1-1}\)=\(\frac{-0.9}{-0.9}=1\)となって、、、\( 0.99999 \cdots =1\)と言えるわけです(長かった、、、)。

、、、内容として正確であっても、学習の順番として「先にやる」ことはどー考えても難しいですよね(笑)。

例えば、生物。

メンデルの遺伝の話は現在では「不完全である」ことがわかっています
1つずつの対立遺伝子が1つずつの染色体にある=独立の法則が成り立ってるという状況(≠連鎖してない)じゃないと成立しないわけです。
じゃ、最初からメンデル遺伝ではなく「現在の遺伝」を教えればいいんじゃないか、、、で、そっちの形に高校の教科書はなってるんですよね、実は。
高校生物(生物基礎・生物)では、メンデル遺伝の話はほぼ出てきません。どちらかというと「どうやって遺伝しているか」=DNAがどうコピーされ・アミノ酸やタンパク質(=酵素)を作り出しているか、という話や、塩基3つがアミノ酸1つを決める、といった話を中心になって、、、遺伝子がどう分配され・連鎖の割合が、、、といったことは「学ばない」という方向に舵が切られています。
もっと言えば、古い生物の内容は、ほぼ教科書からなくなって、、、生物化学や分子生物学の入り口だったり、、、近年発展した生物学の内容にシフトしていっています

生物は特に保護者世代と現在で習う内容が大きく違う(順番どころか内容が全く違う)科目になってます。学ぶ順番も「古いものから」という順序ではなく「理論的な順序」のことが多くなっているように思います。(その分「難しい(≒覚える内容が多い)科目」になってしまっていて、、、共通テストでは生物・生物基礎ともに平均点が低くなっていたりします)

教える順番は、どーするべきなのか?

好きにしたら良いと思いますというと、元も子もないので(笑)。

内容、理解してほしいこと、、、を考えると「簡単→難しい」と難易度を上げていくことが「理解しやすい」方向性だと思います。
数学がわかりやすい例だと思います。\(\frac{3}{3}=0.999\cdots=1\)が成立する理由が説明できるようになるには中学・高校の数学という段階を踏まないと無理で、、、「徐々に難易度を上げていくことで、理解度が上がる」という学問の種類があると思います。

他方「現実世界で起きていることが、一般的な感覚から遠く離れている」ような学問もあるわけです。
、、、理科が大半を占めますね(笑)。

物理現象は本当は全て「量子力学」で説明されます。が、量子力学を理解するには「高等数学」が必要(最低限、微分積分はわからないと無理)なため、日本では高校以降に学ぶこととなっているようです(上の数学と同じように難易度を上げていく、という順番)。

しかし、実際に「量子力学の世界」を理解するために数学は必要なく、言語的に・体験的に知ることは可能だ、というのが、今回のオーストラリアの一部の学校で行われている方法論です。
量子力学的に理解しておくことは、この先「数学を学ぶとともに理解できるようになる時に、物理現象や数学の理解の助けになる」のは間違いないわけで、、、そういった「現実世界で起きてることが、一般的な感覚とズレている場合」に、この方法(先に大雑把な枠を理解させておく)はとても良いように思います。

私としては「わかりやすい方から順に教える」≒「古い内容から教えていく」のが教える側もわかりやすくていいな、と思いつつも、、、「その考え方・起きたことを理解する」ために必要なのは「わかりやすい順」ではないなー、とも思っていて、、、どっちが良いとは言い切れないし、、、ある一人の生徒に合わせて教えているので「その生徒がわかりやすい順番」をその場で見極めて教えていく、、、ということを私(すぎやま)はしていて、、、「教える順番を考える」って結局は「集団で教える・学校で教える」ことを前提にしているんだなー、とぼんやり思ってます。

入塾・家庭教師のご案内。

面談+無料体験授業からのスタートしています。

進路のご相談も随時受け付けております。
教育に関してお話してほしい、というご要望あれば、全国行きますm(_ _)m(諸々相談させてください)

友だち追加
  • お電話 050−5318−8393
    よりご連絡ください。よろしくお願いします。

札幌の塾BASEホームページ
札幌の家庭教師屋さんホームページ

この記事を書いた人
すぎやま

札幌の家庭教師屋さん・家庭教師がつくる塾BASEの人
名古屋出身・富山大学卒・富山で小学校講師・北海道で公立高校教員・家庭教師をしていたら塾ができていました。

すぎやまをフォローする
教え方教育
シェアする
すぎやまをフォローする
家庭教師がつくる塾BASE・札幌の家庭教師屋さん

コメント

タイトルとURLをコピーしました