札幌で中学受験をするお話(2025年版)

ここ数年、中学受験の生徒がいない状況が続いていますが、ウチの塾、実は中学受験にも対応しています。
ただ、ウチに来る話の大半が「小6の4月スタート」とか「小6の11月スタート」みたいなギリギリの時期にスタートするお話が多くて、、、「兎に角やるぞ!」という感じで「なんで受験する?どこがいい?どーして??」みたいな部分をしてる余裕が無いままが多かったりして、、、。

ちょっと、札幌での中学受験に関して、書いておきたいと思いますm(_ _)m

札幌で中学受験。

札幌市内、通える範囲にある中学受験できる学校(≒中高一貫校)は、、、

国公立
 北海道教育大学附属札幌中学校
 市立札幌開成中等教育学校
私立
 札幌大谷中学校
 札幌光星中学校
 札幌日大中学校
 立命館慶祥中学校
 北嶺中・高等学校
 藤女子中学校
 北星女子中学高等学校

このくらいでしょうか?
この内、教育大附属は中学からも入ることはできますが、「小学校受験」のイメージが強いかと思います(高校は無い)。

また、藤女子は今年(2025年入試)から高校入試を開始したので「中高一貫」だけではなくなり、完全に「中高一貫」=「中学受験のみ」(=高校からの入試が無い)の学校は、開成と北嶺の2校だけになりました。(教育大附属は中学校までなので、除外)

単純に「中学〜高校までの学校の授業内容を6年間で行えばいい」=「中高一貫校」と捉えていいかと思います。

ですので、「中学3年で高校数学がスタート」とか「中学社会・公民の内容がやたら詳しくやっていて、気がついたら高校・公共の内容だった」とか「理科が学年ごとの教科書ではなく、理解しやすい順番でやるので、自学する問題集が見当たらない」とか、、、通常の中学校とは異なる授業が展開されます。

一般的な公立中学校と比べると授業のスピードは速く、密度も高いことが多いです。
自学自習ができないと、ついていくのも大変で、、、、という話はよく聞くところだと思います。

目安としての学力

小学校でのテスト(カラーテスト:表裏カラー印刷の教科書単元ごとのテスト)で、90点を切る場合は、一度よくお考えになることをオススメしております、、、。

小学校のテストの100点〜90点 → 中学校の定期テストだと100点〜60点くらいの学力の生徒が含まれます。
簡単なテストなんですよね、、、。範囲も狭く(単元ごと)・授業でやった直後(〜少なくとも2週間以内)にやるので記憶に新しいまま、、、が小学校のテスト。中学だと3ヶ月〜4ヶ月ごとの定期テストですで、範囲の広さ・経過時間とも小学校のテストと比べて格段に広く・大きくなるわけです。
そんなわけで、小学校で90点以上取ってた→中学校のテストで60点以下になる、という話はよくあるわけです。

中学受験するのであれば「全教科(全科目)で、しょっちゅう(常に?)100点取っている」くらいの学力がスタートラインです。

あ、どこでもいい、、、ということであれば、そこまでじゃなくても入れるところはありますので、特に気にしなくてもいいのですが、「◯◯中学校に行きたい」といった志望校があるなら、、、それなりの学力以上の学力が求められます。

「80点取ってくることもあるけど、ほとんどが90点台で、、、」は学校によってはかなり難しいかもしれません。
入学後の授業についていくことを考えると「小学校の勉強は余裕で理解してる」「1人で勉強していて、90点を切ることがない」くらいが目安かもしれません。

特に、道内ではなく道外の中学校を受験したいのであれば、100点余裕で取れてないと、、、難しいです。

札幌(道内)の中学受験

関東・関西など、本州の中高一貫校への受験と比べると非常に簡単です。
小4から始めるなら、受からないことは少ないと思います(一部例外あり)。

極端なことを言うと「小6の4月からスタート」であっても藤女子や北星女子、場合によっては立命館慶祥でも合格する生徒さんいます。(注:小6からスタートすると「とんでもなく大変」です。週2回〜3回、ガッツリ授業+たっぷり宿題をこなせるだけの生徒さんの能力と保護者の協力が無いとどーやっても無理です。数年前までそういった中学受験の生徒さんがいて、、、ホントに大変でした。)
札幌の中学受験は「本州での中学受験よりかなり簡単」ということを言いたいだけです(笑)。難しくてスゲー大変、、、というのは「一部の例外」だけです。

一部の例外?

北嶺中、開成中は、小4くらいからやってないと無理です。1年でどーにかなることは無いです。
また、各中学校に設定されている「上位クラス」に入りたいのであれば(立命館慶祥のSPとか光星中のステラとか)同様に1年でどーにかならないので、、、しっかり準備する必要があると思います。

そうじゃなく「どこでもいいよ」というなら「札幌から通える中高一貫なら、行けるところはある」んです。

中学受験のメリット

6年間、継続的に学習ができるのは大きなメリットです。
中学3年・高校3年という途中の断絶が無いことで、どの教科・科目も中学の時点から「高校まで見据えて教える事ができる」わけです。
中学の理科とかで、高校入学後にどう教えてくれるかわからないので「教えすぎる」とか「教えなさすぎる」事がどーしても起きるんですよね、、、(元高校理科教員の嘆きです、、、実際によくあったんです、、、)。
それが無い。そーすると例えば「大学入試に向けて、数学はここを優先して中1でここまで教えて、中3で高校の数学を、、、」みたいな事ができます。これ、かなり大きいです。

高校受験が無いので「高校受験の勉強する時間が必要ない」ってのもメリットです。
習い事してる生徒さん(ピアノで全国出るとかスキーの大会に出てるといったレベル)だと、「中3の時期であっても、大会に全力で取り組める」のは大きなメリットだと思います。
「学力を身に付けると大会出場の両方をやる」が選べるのは中高一貫ならでは、です。

男子のみ・女子のみ、という学校を選べる、のも道内ですと「中高一貫」だけです。
公立は現在性別で別れた学校は無いので、、、男子のみ・女子のみ、の学校の良さは中高一貫に行かないと体験できないものになっています。
ホントの意味で「性別による区別・差別が無い」のは男子校・女子校だけ、という話もよく聞きます。
、、、男女の生徒が居ると「重い荷物を運ぶのは男子」になりがちです(それはそれでとても大事なことだと思いますが)。男子だけ、女子だけ、になるとそういった「性別によるバイアス」が無い状態になるので、それが「楽だった」という生徒さんは多いですし、そこで培った「性差への感覚」が仕事に使えるんだよねーというお話もよく伺うので、、、男子校・女子校という選択は意外とありだなー、と思います。

また、大学を持っている場合は、内部進学で通常の入試(推薦型・総合型)よりも楽に入ることができます
藤女子であれば藤女子大へ、札幌日大であれば日本大学、立命館慶祥であれば立命館大・立命館アジア太平洋大へ、、、。大学から逆算して考えると、日大や立命館はレベルが低くない大学です(というか、非常に高い学部学科が含まれている)ので、中学受験で入れるなら「とてもお得」と言えるかもしれません。

中学受験のデメリット

授業のスピードが速く「ついていく事すら難しい場合がある」というのはデメリットとしてよく出てくる話です。
ある程度以上の学力があって、ついていくことが難しくないならいいのですが「入れたけどついていくのが難しい」と6年間「授業についていくために、塾や家庭教師が必要」という可能性があります(し、そういった生徒さんも過去に教えてきています)。

6年間を見通した授業構成になっているので「市販の教材・塾で通常使用される教材が使えない」ことが多いです。また、授業構成が通常とは異なる科目がある(特に数学:「体系数学」という教科書を利用すること多いです)ので、大きめの本屋さん(コーチャンフォーか紀伊國屋書店か、三省堂(ステラプレイスの)か、丸善ジュンク堂(大通))に行かないと「問題集が無い」です。
授業構成が違うため、中1の時点で「中1〜中3の理科の教科書を全部」渡されて、似た内容を一気にやる(化学反応を全部一気に教えられる、とか)ことがあって、、、そうなると「定期テストに向けて市販の問題集を使って学習」とかが、非常に大変(1〜3年の問題集を全部買ってきて、自分で当該内容のところを見つけてやる、、、わけです)になります。
→ 学校で出たプリントだけやる、という状態に陥りやすい(点数は上がらない)。

高校受験が無いので「受験勉強をする」という経験がありません。「学習をする力が身につきにくい」です。(そうならないように、寮生は勉強時間が決まっていて「やらされる」学校も多いようですが)
また「中学内容がしっかり身についていない」ことも多いです。これも「高校受験」に向けて「やり直し・覚え直し」をしてきた生徒さんと比べると中学内容が疎かになっていることが多く、、、デメリットとしてよく上げられる部分です。

6年間、固定された人間関係(=人の入れ替えが少ない:高校から入ってくる生徒はいるけれど)なのも中高一貫のデメリットかもしれません。人によってはメリットに数えられるかもしれませんが、、、。「大きないじめやケンカ」に巻き込まれた・当事者になった場合、高校に入っても「同じメンバーが常に居る」状態というのはなかなか人間関係構築の上では難しくなりやすいです。そこまで大きな話でなく「ちょっとした失敗」が尾を引いて「学校内でおちゃらけた立ち位置」になってしまって「とても疲れてしまう」という話、、、実は結構聞きます。
成長とともに人間関係が変わることで「自分の内面を表に出しやすい」という生徒さんも居ますし、逆に「周囲が一緒だから、自分をさらけ出しやすい」という生徒さんも居るわけで、、、どちらがいいとは一概に言えませんが、メリット・デメリット、、、、デメリットが少し大きいかな、という感じがしています。

中学受験したほうがいい?

「基本的にはyesですね」と答えています。
金銭的なこと・通う距離と時間などがクリアされていて、生徒本人も行きたいと思っているなら、受験するのは大賛成です。

受けたい理由や行くべき意味が「生徒さんが」わかっていることが大前提。
その上で保護者のサポートが十分にあるなら、何も問題ないかと思います。

中学受験の勉強は小学生にとって、楽しく・辛いものになると思います。その経験は合格しなかったとしても「高校受験」に向けた学習に必ず生かされます
また、合格・入学してからついていくのが難しいことがわかったとしても、大学付属の場合は「最低限の成績を取っていれば内部進学できる」ので「大学受験のハードルが非常に下がる」と言えます。
、、、偏差値30後半〜40前半で、立命館大学に行くことができる、というのは結構とんでもないことだと思うのです(実話。そんなに難しくなく立命館大へ進学可能です。立命館大学の偏差値は50〜67.5:道内では北大受験の滑り止めとして有名ですね)。

ただ、何となくの憧れだけで中学受験の勉強を始めてしまうと「泣きを見る」ことになります。
比喩表現ではなくホントに泣きます、生徒さんが。
ある程度、下調べ・なんで行きたいのか・ホントにそこでいいのか、、、をしっかり話をした上で始めることをオススメします。

ただし、、、

中高一貫校に入ったことで「満足」する生徒さんは一定数います。
中高一貫校の生徒さんの多くが一度はそういう状況に陥るようで、、、。
そこから、エイヤッと戻ってこれるならいいのですが、、、なかなか難しい生徒さんも多いようです。

それとは別に「中学受験で身につけた方法だけで何とかしよう」とする生徒さんも一定数います。
中学3年生になっても方程式を使わずに「文章題を読み解くことで数値だけで計算して答えを導き出す」ことをする生徒さんは結構多くいまして、、、。ダメじゃないんです、答えはあってますし、解答方法としても✕がつくものではないんですよ、、、。でも、高校数学では「具体的な数値」を使わず答えが「数式」になるわけです。そうすると「方程式を立式しないで解答する方法だけでなんとかしようとする」と高校数学を理解することの妨げにしかならなくて、、、。
考え方として数式を使う≒「方程式は数字と同じ扱い」となるように中学数学では方程式の問題を習っていくわけですが、、、それを無視して「今までの方法で行けるからー」とやっていると何も身につかないまま「高校数学に突入」とか、、、居るんですよね、一定数。

えっと、、、。
つまり、何が言いたいかと言いますと、、、「中高一貫校に入ったが為に、学力がガッツリ落ちてしまう」ことがあります。

入ってみないとわからない、わけです。
ただ、経験的に「こういう生徒さんは、ダメになること多い」というのはわかっていて、、、。
中学受験を担当しているウチの先生は「そうならないように、今のうちから勉強の仕方をしっかりしようね」と話をしています(面と向かって言いづらい・言えないことですので、、、ほとんど塾の先生たちは言わないと思いますが(笑))。

そーすると、、、「公立の中学に行って高校受験して高校に行く」よりも学力が低い状態になるんですよね、、、。ホントびっくりなんですが。
top10以下だと中堅高校以下で、、。国公立一般受験は無理・札幌市内の私立に推薦でやっと行けるくらい、という学力になって、、。

ですので、「ただし、そういった場合があることも理解の上で受験させる(保護者の視点)」事が必要になります。

中学受験をする場合はたくさんお話しましょう。

ウチの塾(と家庭教師)の場合、中学受験をお考えの時は特に面談してたくさんお話させていただいています。
本人がどう考えてるのか保護者のみなさんがどうお考えで、どこを狙っているのか、今の学力は、毎日の学習は?1人でどこまでできているか、、、色々お伺いしたいことがあります。
あくまでウチは「塾(と家庭教師)」ですので「塾として教える」ことはしたいなーと思っています。
でも、それがホントに「今やるべき事かどうか」「私達がやることが最善なのか」は常に考えていて、、、どーしても最初に色々伺うこと多いと思います。

ウチよりも他の塾さんで「競って勉強する」方がいい場合も多いです。
逆に他の塾で「競うと疲れてしまって受験どころじゃなくなる」場合はウチでやるといいなと思うんですが、そもそも「競うことに疲れてしまう生徒さんは中学受験に向いていないのでは??」とか、、色々考えるわけです。

入学後に「そこまで楽しくなかった」となってしまうと、、、。
学校が辛い・楽しくない→「この学校が悪い」と他責になってしまいがちです。
ゆっくりお話して、自分の事を考えながら受験に向かうよーな時間があるといいなー、、、と思っています。

、、、ので、小学4年生くらいからゆっくり始めることをオススメしております。そうすると「生徒さんが少しずつ考える時間」もありますし「中学校を見学に行く余裕」もありますし「保護者が考える余裕」もできます。
教育系は、、、特に進学先を考える時に焦っていいことは無いなー、と考えています。

中学受験、気になることあれば、塾にお話しに来ていただければ、、、もーちょっと踏み込んだ話もできるかな、と思います(具体的な学校名上げて、ここはこーなって、こっちだとこーなる、、、といったお話も)。

また、そのうち、気が向いたら細かいお話も書きたいと思いますm(_ _)m。

おわり。

この記事を書いた人
すぎやま

札幌の家庭教師屋さん・家庭教師がつくる塾BASEの人
名古屋出身・富山大学卒・富山で小学校講師・北海道で公立高校教員・家庭教師をしていたら塾ができていました。

すぎやまをフォローする
受験教育
シェアする
すぎやまをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました