「豊かな学びに繋がる学習評価の在り方」という資料が文部科学省から出ていまして、、、
これは「教育課程部会 教育課程企画特別部会(第10回) 配付資料」に掲載されていました。

この資料の中に「学習に向かう力」が評価に入らなくなる、という内容が記載されていて、、、三観点評価が二観点評価に??!!
えーっと、ちょっとだけ。現状と解説をしておきたいと思います。
何が、どーなるって??

「主体的に学習に取り組む姿勢(旧)」→「学びに向かう力・人間性(新)」にしようとしているようです。
そして「学びに向かう力・人間性」は「評定せず」と表記されていて、、、、どーやら「5段階評価には入れない」ということになりそうだ、、、ということがわかります。
次の学習指導要領は2027年に完成・2030年から小学生スタートになる予定ですので、「そろそろ内容が確定されていく時期」だろうと思われます。
そういった意味では「おそらく、間違いなく学びに向かう力は評価対象じゃなくなる」だろうなー、と思います。
よくわからない言葉だらけですので、、、用語解説。
主体的に学習に取り組む姿勢 → 三観点評価になってから出てきた指標。学習に取り組む姿勢を評価。中学校だと授業ごとの「振り返りシートへの記入」などが評価対象物になっていること多い。
目標準拠評価 → いわゆる絶対評価のこと。学習指導要領の目標にどれだけ達しているか、で評価しているもの。
集団準拠評価 → 相対評価のこと。生徒の学習状況を集団の中の位置づけによって評価するもの。
個人内評価 → 個人の進歩の状況に着目して評価するもの。個人の良い点・可能性を評価する(他者と比較や目標到達ではなく、その生徒の過去と今を見て評価している)。
形成的評価 → 学習過程の途中で行う評価。生徒のつまずき・伸びについて評価するもの。生徒の学習改善・教員の授業改善に利用する。成績の評価に使うものではなく「学習の改善につかう評価」のこと。
総括的評価 → いわゆる評価のこと。学習活動が完了した後に実施される評価、最終的な成果を評価をするために用いる。学習者(生徒)の全体的な理解度や達成度を判断する。
「主体的に取り組む姿勢」の評価って?
「主体的に取り組む姿勢」は、昔々の相対評価から絶対評価の時代には「平常点」、四観点評価では「関心・意欲・態度」、三観点評価では「主体的に取り組む姿勢」と名称が変化してますが、基本的には「テスト以外で測る学習の力」のことで特に「態度」「やる気」のようなものを評価する、ということになってます。
中学校では「授業振り返りシート」を評価(たくさん書いてある・内容がちゃんとしてる)して点数化したもの等が「主体的に取り組む姿勢」の評価(A・B・C)になっています。
「等」ってのが面倒でして、、、。
例えば「実験プリント」を提出したときに「明らかに誰かのを書き写した」「メモ書きなく、いきなり計算の答えが書いてある」「実験操作についての指示が記入されていない」など、、、授業内での活動の様子が見られない提出プリントの場合「主体的に…」の点数が低くなると思われます。
例えば「小テスト」。漢字テストだと「何がでるか、問題がわかっている」事が多いと思います。それが「全問書けない」→「主体的に取り組む姿勢」は低い点数になる、だろうなー、と。
という形で「頑張った分、点数にするよ!」というのが「主体的に取り組む姿勢」の評価のハズなんですが、、、。
① 「粘り強さ」…ノート提出の頻度や課題の締切遵守等、形式的な「勤勉さ」の評価に留まっている例が散見
② 「自己調整」…「振り返り」による評価が行われる場合もあるが、教師の負担が大きい、教師の期待する表現を子供が過度に意識する傾向
ここ数年で、札幌市中学校はノート提出やワーク提出がほぼ無くなっています。方向としては「文科省が言っている方向に進んでいる」ので正しいのですが、、、。
「振り返りシート」は「その教科担任が書いてほしそうな事を上手く書く生徒が点数を取っている」という側面ががあるように思っていて、、、。
主体的に取り組む姿勢の評価が形骸化してるんじゃない?って懸念があるようですね、文科省としては。
「主体的に取り組む姿勢を評価に入れるのは難しいんじゃない?」と言いたいのかなー、、という感じがする資料でした。
「定期テストで点が取れないけれど真面目に頑張っている生徒」をどう評価するか、が元々の話だと思うんです。
「定期テストで点が取れないけれど真面目に頑張っている生徒」をどう評価するか
→ 「平常点(授業中に何回手を上げて発言したか・ノートをちゃんと書いているか)」を付けて評価するようになった、、、という歴史的な経緯があります。
その流れで「主体的に取り組む姿勢」等は「頑張って勉強しているけれど、定期テストで点が取れない生徒」を評価する指標として役立っていました。
ぶっちゃけて言えば「ノート・ワーク・プリント・小テストでしか評価を取れない」って生徒、、、、「主体的に取り組む姿勢」とかで何とか評価を維持している(していた)という発達障害・学習障害のある生徒さんが居たりするわけです。
さて、その辺り、、、どーなるんでしょう?
「主体的に取り組む姿勢」→「学びに向かう力・人間性」に変わる。
さて「主体的に取り組む姿勢」で評価・点数化していたものは、今後は(評価されるけれど)5段階に入らないことになりそうです。
2030年から新しい学習指導要領が小学校でスタートするので、中学だと2031年から?、高校だと2032年から?になるだろうと考えられます。
あと、5年ほど先(中学校ということであれば6年先)の話ですが、、、。
「テスト重視」にシフトしていくよーな気がします。
前回の学習指導要領→現行の学習指導要領、で「知識・技能をしっかり身につける」「ノートを提出しただけで成績にするのは良くない」と言った話が出ていました。今回新たな学習指導要領に向けたお話で「そもそも、主体的に取り組む姿勢を5段階に入れない」という資料が出てきていて、、、。
テスト重視というか学力重視にシフトしていく感じがします。
個人的には賛成です。が、成績評価に困る生徒が大量に出てくるだろうなー、と思います。
例えば、不登校でほぼ学校に通えていないけれど定期テストで5教科合計450点以上(全科目90点以上)を取った生徒は、、、5で良いのか?という問題。かといって、、、現行の評価だと不登校でも定期テストで60点以上取って2がつくことがあるので、それもどうなんだろう?と思うのです。
もう少し評価を考える必要があるような、、、。
もしくは「評価によらない進学」が可能な形にならないとダメ、、、なんでしょうね、きっと。
、、、かなり大きく「学校教育の枠組み」が変わらないとダメなんだろーなー、と思いつつ。
おわり。
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