北海道・部活動の地域移行のお話。

ほっかいどう部活動・地域クラブ活動サポーターバンクについて - 教育庁学校教育局部活動改革推進課
部活動サポーターを募集しています!! 北海道教育委員会では、道内の市町村立中学校(義務教育学校の後期課程及び中等教...

北海道だけではありませんが、部活動が地域の活動に移行されていくことになりました。
が、現状進んでいるお話は聞かないので、、、まだまだ学校の先生方が頑張って部活を指導してくれているんだろうなー、と思っています。

で、道内の状況を少し見てみようかと思います。

ほっかいどう部活動・地域クラブ活動サポーターバンク

地域で指導員をしてくれる人に登録してもらって、部活動移行をスムーズに進めていこう、みたいなことを北海道教育委員会がしてくれています。
サポーターバンクに登録している人数とかがでていまして、、、で、見てみました。

ほっかいどう部活動・地域クラブ活動サポーターバンク登録状況(R7.3.28現在) (PDF 877KB)

各競技、それなりの人数「指導員やりたい!」人が居るんだなーと思います。特に石狩地区は結構ちゃんといるんだなー(石狩は全部で284名)と思いつつ、、、。

ところが、です。

北海道の学校数は、1700校以上ある。

北海道教育委員会Webページより 2025年4月1日現在学校数

小学校・中学校・高校(と義務教育学校・中等教育学校)で、1768校あります。これ以外に、特別支援学校がありますので、、、1800校以上あるんですよね。
えーっと、どう考えても、指導員の数が足りません(苦笑)。

札幌市だけで、小学校が200校・中学校が104校・高校が52校(義務教育学校2校・中等教育学校1校)です。
最も登録者が多い石狩地区の登録者が最も多い野球(42名登録)だけで考えても全く足りなていないわけです。
野球部、中学校の半分にのみ設置したとしても足りない。高校だけ部活させるとしても足りない、、、小学校〜高校まで指導者を置いて、と考えると全くもって足りていない、、、。
さて、どうしたもんでしょー?

部活動の地域移行

部活動は「先生の仕事なのか?」というお話が出始めて10年以上経ちます。
が、未だ「地域に移行する」ことはできない状況が続いています。つまり、先生たちの「給料でないけど、サービス(無償奉仕)で部活の指導をしている状態」です。
たぶん、普通の企業が同じことしてたら、今の御時世では、、、ブラックどころか、炎上どころか、、、って状態だと思います。

部活動指導員・支援員を学校(小学校・中学校・高校)が導入したくても、こんな感じで、、、指導員が足りていないわけです。このままホントに地域移行していくなら、「この地域は野球部・隣はバスケットボール部・もういっこ向こうに陸上部」みたいな事が普通になるような気がします。
、、、それはそれでありかなー、と思っています、個人的には。

今の状況(「たとえ部員が1人しか居なくても、顧問の先生がついて教えている」)は少し歪んでいる、、、ような気がするんです。「生徒がしたいことができるように」と言えば聞こえはいいですが、今までは「学校側の事情」や「顧問の先生の事情」は無視して進めすぎたように思うのです。児童生徒を優先するのは良いんですが、優先しすぎた(行き過ぎた)ような感じがするんですよねー。

部活動で生徒が成長していくことを否定するつもりはありません(し、教員時代に「部活動での生徒の成長」を多々見てきた身としては部活動の良さはたくさんあると感じています)が、部活動のやり方・基準を変えていかないと「先生だけ(学校だけ)が苦労を背負い込む」ことは止まらないだろうなー、と思います。

部活動、どーやったらいい?

部活動どう運営するべきだと思いますか?
「小学校・中学校・高校の関係する人が考えればいい」では無くなっている、と考えていて、、、。

そもそも、指導者足りませんし。
過去に、吹奏楽やってた人だったり、大学までバスケしてた社会人、野球を、サッカーを、空手を、ラグビーを、体操・新体操を、、、やってた人たちが、部活動で指導者をしてくれないと、やってけない状態になってきてます。

そもそも、場所が足りませんし。
サッカー部と陸上部と野球部が同時に部活できる場所がある学校(小学校・中学校は特に)って、どのくらいあるんでしょう?毎日部活したいなら、、、場所の確保は必要ですが「学校以外の場所を無料で借りる」ことは難しいですよね、、、じゃ、「部員から徴収」ってなります、、、けど、いいですかね?

そもそも、子どもの人数がいませんし。
中体連の大会がガッツリ競技数が減ることになりました。生徒が居ない・先生が居ない、ので大会運営が成り立たない競技が増えつつあるので、、、という話を伺いました。
全校生徒が100名以下の高校での勤務経験がありますが、運動部が3つも4つもあると、、、大会出れるほどの部員が居なかったりします。
そんなわけで大会に出るためには、小さい学校ではどうしても部活動の数を絞る必要があります。
でも、「それは私たちがしたい部活ではないので、新しい部活を作りたい(部活を復活させたい)」という話は色んな学校でよく聞く話で、、、。合同チーム(3校合体で1チーム)で出る意味があるのか、そこまでして「その競技をしたい」なら、部活動で「学校を選んでおく」必要は無かったのか、、、そもそも、学校=部活動、なのか?という疑問を持つ、、、みたいな状況です。

そもそも、「部活動の顧問は校長が決める」事ができる(人事として)のですが、「部活動の指導は教員の仕事ではない(学習指導要領に規定が無い)」ので、、、「顧問にされてしまう」けど「その仕事は教員の仕事じゃない」という矛盾が未だに解消されていません。
えーっと、会社員だと、なんでしょう、、、「プロジェクトリーダーとして辞令が出る」けど「そのプロジェクトは仕事ではない」みたいな矛盾で、、、「花見の場所取りの命令が社長から正式に出る」けど「場所取りの間は給料が出ない」みたいな話ですかね、、、部活で給料出ないので。

→ で、法律的な矛盾の解消+教員の働き過ぎを解消=地域に移行してしまえば良い、という話になっている、と私は考えていて。
、、、もーちょっと、現実的な話にしないとダメじゃないかなー、と思うんです。

ちなみに、、、。
私は小学校(中学校の途中?)までバスケットボールをしてました。それ以降は運動部何もしてない(高校は写真部と生物部)んですが、バドミントン部・ソフトテニス部・ダンス同好会・サッカー部・バスケットボール部・野球部、、、を指導していました。
えーっと、試合に勝てるわけありません、当然ですが。
上手くなるわけ無いですよ、当然ですが。
だって、試合に出たことも無いどころかルールもしらない運動部を指導するとか、、、できないです。
理科部とか(理科教員でした)、写真部であれば、全国大会とか連れてく自信ありましたが、、、一度も持ちませんでしたね、そう言えば。
一部の運動部は「ベンチ入りして監督するなら資格が必要」で、、、それは「個人が取る資格」なので「顧問になったら自腹でとってね」と言われましたね、そう言えば。、、、指導したいわけでもない部活の監督・コーチの資格を自腹で取るってのはなー、、、と。
しかも指導してる間の給料は出ないとか、、、さてさて。

思案した私案

えーっと、暴言を吐きます。
「部活動をするにはそれなりのお金がかかることがスタートライン」だと思っています。指導者に給料が必要ですし、場所代も必要でしょう。器具・道具代、消耗品など、色々お金はかかると思います。
無償で教えてくれる、という人がいるならお手伝い願いたいですが、指導する(教える)ことには責任が伴うので「ボランティアでやるから責任持たない」を避ける意味でも指導者は有償である(≒ある程度の責任を持つ)べきでしょう。

「できるだけ安く部活動をしたい」というのは「無料で働く(ボランティアで教える)人が大量にどこの地域にも居る」という前提がなければ無理だと思っています(上記の通り、田舎の地域に行くほど、サポーターは少ないです)。大学生や高校生が手伝ってくれるような地域、、、となると道内だとかなり大きな都市部だけ(札幌とか旭川とか函館とか、、、大学が複数校あるような地域)になると思います。

たとえば、札幌市であれば、サッカーチームはそれなりの数ありますし、野球はリトルリーグ・シニアリーグのチームもそれなりの数がありますので、、、サッカー部・野球部はそこと連携する以外の方法はないだろうなー、と思います。
いくらかの月謝(部費)を払って、みんなで運営して、教える人を雇って、、、という形。

吹奏楽や美術などの文化系はとても難しくて、、、教えれる人を探す・雇うことがなかなか難しいかもしれないですが、「学校が場所を無償で貸す」形で、部費の大半を雇用に当てることができるなら、アルバイトとして「教育大の大学生」ができるかもしれません。

、、、田舎の地域はどうしたらいいだろう?
たぶん、ホントに「NPO作って・補助金出して、その地域で運営してもらう」みたいなことを真剣に考える必要ありそうです。
「NPO・田舎の部活動運営しまっせ」みたいなヤツ。田舎の小学校〜中学校〜高校までの「全ての部活動を運営」する。中心は都市部に置いて、田舎に人を派遣する。場所は各学校に無償提供(場合によっては宿舎も提供?)してもらって、運動系・文化系ともに派遣して、、、毎週3回部活ができる(人数が少ない地域は近隣で集めてとかも必要?車もNPOが出す?)ようにするとか、、、NPOの職員は毎日違う場所で同じ部活を指導する、みたいなイメージ。
、、、まあ、儲からないですな、絶対。そして、人材が集まるわけ無いですな、これ(笑)。
でも、部活を維持するとなると、、、壮大な「NPO法人」が必要になる。そしてそのNPOに「とんでもない額の寄付・補助金」が出てないと維持できない、と思います。
あ、もしくは「全額、生徒負担」でやるか、ですね。

たぶん、最低でも生徒一人あたり・月2万〜3万にはなると思います(塾を田舎で運営するのと変わらないと思います。指導者(塾なら先生)が生きていける収入が無いと無理ですので)。

お金いくらまで出せますか??

、、、さて、お金そこまで出してでも部活動を継続します?

強いところって、今でも月に5,000円くらい部費を払ってることありますよね(体育館借りる・遠征する、などなどで)、、、その上に、さらに乗っかる金額として月3万かなー、というお話です。

どこまで、出します?部活動が有料になったら?

で、その金額で「指導者を雇って、運営費(場所代・器具代・消耗品など)がペイできるか?」を考えれば、、、当たり前ですが、わかることだと思います。
月1,000円でやるには「1000人以上教えないと無理(月100万)」ですよね、どー考えても。
1000人の部活動って、、、(笑)。

→ 指導者に月10万支払う(他の仕事をしながら17時以降に指導に来てもらう)とすると、部員が10名なら、月1万で指導者分。消耗品(ボール・器具など)は半期ごとに皆でお金出して購入(多分、3〜5万くらいかかるので、年で6,000円〜1万円)、これで最低限運営はでき、、、無い。
夏休み、指導者は仕事してますのでこれません。来れるように、、、、ということであれば「生活できるよーにする」しかないですが、、、さて、いくらまで支払えますか??

結論

今の部活動の形は、無償でやってくれる人が居ないと成立しないです。
ですので、「誰か、無償で協力してください」。
それ以外の方法を検討すると、おそらく「月10万〜100万円」をどこかから引っ張ってこないと難しいです。

で、、、今のまま、先生(指導者)が「指導できませんし、いるだけ、何もしない」だったり「やりたい先生がスゲー頑張るけど、異動で居なくなって部活がなくなる」だったり、、、が一番いい状態だったりします、たぶん。

だって、運営できてますから(笑)。
色んな先生の「少しずつ時間と体力とお金」を使ってますが、その結果運営できる状況が今ありますので、、、これをぶち壊す必要は無いと思います(結構本気で言ってます)。

地域に移行すると、部活動は無くなっていくと思います(それもまた、正しい方向だと思います)。
部活動の指導は教員の仕事ではないので、地域の指導員にお願いするのが正しいだろうと思います。
(と、すると、中体連や高体連のような「学校で参加する大会」という概念が崩れます。地域での指導なので)

さて、面倒な話です。

中体連が、大会を縮小するのも「先生に依存しすぎてるから」という話もありまして、、、。
何にせよ「教育だから」「子ども・生徒のためだから」で頑張ってきて「仕組みを作って来なかった」ことのツケが溜まりに溜まってます。
既に教員を辞めた(辞めて10年以上になりました、、、)私でさえ、これだけ「文句がある」んですよ(笑)。
現場の先生方は、どーでしょう?もっと困ってるんじゃないですかね??
部活の指導がしたくて先生になった方も多くいらっしゃいますし、、、逆に部活の指導は絶対したくない、という先生もたくさんいらっしゃいました。

地域移行という「中途半端な策」でお茶を濁している間に、金銭的な方法で解決できる方々は「クラブチーム」や「習い事」の方へ移行していくよーな気がしています。

結論。
部活はこのままだと「絶対になくなる」と思います。
存続させたいなら「地域で無償で教える大人たちが、各学校ごと10名〜20名必要」です。
もしくは「教員に、部活動指導分だけお金を支払う(=月3〜4万:残業代として)」しかないかなー、と思います。

まとまらず、終わり。

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この記事を書いた人
すぎやま

札幌の家庭教師屋さん・家庭教師がつくる塾BASEの人
名古屋出身・富山大学卒・富山で小学校講師・北海道で公立高校教員・家庭教師をしていたら塾ができていました。

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