高校の授業料無償化が進み、多くの家庭にとって負担が軽くなる、、、みたいです。
が、進学格差の解消につながるかというと、必ずしも「YES!!!」という感じじゃないなー、という記事が多くて。

高校無償化、どーなのか?ってお話です。
高校無償化の現状
2024年度から、東京都や大阪府では高校授業料の無償化における所得制限が撤廃され、より多くの家庭が経済的負担を軽減できるようになりました。
注意しなきゃいけないのは「無償化されるのは授業料だけ」なんですよね。
高校生活色んな費用がかかるわけで、、、。
例えば
- 入学金:公立高校でも入学時に数万円、私立高校では20万〜30万円かかることが一般的。
- 教材費:教科書や参考書、電子教材などで年間1万〜3万円。
- 通学費:地下鉄・JR・バス(市電?)の定期代。学校の距離・乗り継ぎによっては年間10万円以上も。自転車での通学でも年間1万円〜かかることも(パンク修理・消耗品交換・点検整備、はしたほうがいいです)。
- 部活動費・修学旅行費:部活動によっては部費が数千円~1万円/月、修学旅行費も10万〜15万円、30万円かかる場合(海外など)も。
「高校無償化!」と言っても、完全に負担ゼロになるわけではない、、、のはわかるかと思います。
無償化になっても「格差」は埋まらない?
高校が無償になってもその先の大学進学には、まだ大きなハードルがありそうで。
中室さんが指摘してるよーに、、、
これらの世帯は無償化で浮いたお金を、塾などの習い事の教育に回すのではないだろうか。周囲の人たちが教育に余計にお金を回すようになると、ステータス外部性によって更に教育にお金をかける人が増え、民間の塾や習い事が儲かって、受験競争が激化するのではないだろうか。それを見て、現在所得が低い若い人はますます子どもを持つことを敬遠することになるのではないだろうか。
中室牧子さんのXのポスト()より
無償化で浮いたお金は、別のところに消費できるご家庭は、塾や習い事やボランティア活動などの経験・体験に使うお金になるだろうなー、と思います。
で、特に、、、
- 塾・予備校に通うかどうかの差
高校の授業だけで大学受験に対応するのは難しく、多くの生徒が塾や予備校を利用しています。平均的に年間50万円程度かかり、家庭の経済状況によって通えないこともあるわけです。 - 推薦・総合型入試の活用差
近年、大学入試では一般選抜(共通テスト+二次試験)だけでなく、推薦型選抜(学校推薦)や総合型選抜(旧AO入試)が増えています。これらの入試では、「活動実績」「小論文」「面接」などが重要になります。
「活動実績」は「ボランティアや自分がしてきた体験」のことで、これに「時間と費用がかかる」ため、収入によって差が出る、と言われています。
この2つが大きいなー、と思っています。
塾・予備校(・家庭教師)は、大学入試対策は「お金はかかる」ので、経済状況(=収入)によって大きく差ができると思います。高校無償化になれば「その分を塾にあてる」ことができるご家庭は明らかに「有利」になるだろう、、、と思いいます。
「体験活動をたくさんするといい」という話は幼稚園(保育園)のころから言われ続けていることだと思いますが、、、。
今、そういった体験・経験が「総合型選抜」で求められることが増えています。
一部有名私立大は「ボランティア」や「留学」といった経験を重視(場合によっては必須)としています。また「英語のみでの試験(提出書類から全て英語)」といった「小さい頃から積み上げたもの」を評価する総合型・推薦型もよくあります。
どちらも「ある程度、お金をかけないとできない」ことで、、、ご家庭の経済状況によって受験が左右される?という感じがするわけです。
無償化だけじゃないかもしれない、問題点は
そうこう考えていると、高校無償化は大きな前進、、、なのかなあ?となるわけです。
大学進学を考えたとき、家庭環境(≒経済状況)によって「受験できる/できない」がありそうで、、、。高校無償化だけで今の教育をどうにか、、、はできないなー、と思うわけです。
さらに「私立高校まで無償化」になると、公立高校が潰れていって、、、結果「学力底辺層」や「収入が少ない層」がより困ることになるんじゃないか、、、というお話も出てくるわけです。
で、河野太郎さんがこんなこと書いてくれてました。
現在、ほとんどの都道府県では、公立高校の入試に単願制、つまり一人の生徒が一つの公立高校にしか出願できない制度をとっています。
河野太郎さん・Xのポストより()
単願制には、公平性の観点から大きな問題があります。 単願制の下では、家庭の経済力に不安がある生徒は、難関校に挑戦したくても落ちた時には私立しか選択肢がなくなるので、安全なところを受けざるをえなかったり、塾に行っていない生徒は、受験に関する十分な情報が得られず、どのレベルならば自分は受かるのかを正確に把握できなかったりなど、不公平かつ非効率な状況を生み出しています。
かといって単に併願制を導入しただけでは、複数の高校に合格した生徒が選ばなかった高校が、その欠員分を補欠から合格させ、また、そこで欠員が出て云々が続く、非効率なことになります。
そもそも、高校入試の方法から変えていかないと、無償化だけだと片手落ちになるんじゃないか?という議論がそこここで起きています。
そもそも「公立1校しか受験できないことが格差を生んでいるんじゃないか?」という考え方は、面白いなーと思っています。
先だって富山県のお話を書きましたが、、、
公立・私立とも、高校は減っていくのは間違いないわけです。
でも「公立は1校しか受験できない」と「公立に行く確率」は減っていくので「生徒数が減る可能性が高くなる」わけで、結果「公立高校が減る」わけです。
それなら、河野さんが書いていたような「デジタル使って、希望上位から合格できるような方法論」は意外といいなー、と思うわけです。あ、もちろんそのシステムに「私立も組み込む」ことができるならより良いですよね。「この公立行くなら、私立のこっちの方が良い」ってのは有り得るので。
何にせよ、、、、高校無償化ってのは、教育を大きく変えていく一歩目なのかなー、と思っています。
思っていますが、大きく期待はしていないです、本音でいうと。
きっと、実の無い状態になる、んですよ、この手の政策って(笑)。
教育は、個人でしっかり考えて進んでいく必要あるなー、、、と思っています。
「よくわからん!」→「お手伝いします」という感じのお仕事してるつもりです。専門家に相談は大事だなー、と思います。
まとまらず。おわり。
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