札幌の塾の人間が、富山の高校が減る話をするのはおかしなもんですが、、、。
私(すぎやま)が富山大学出身ということでお見逃しいただければありがたいですm(_ _)m
他県のお話ですが、北海道・札幌も同じように「高校が減る」んでしょうか?
ちゃんと考えてみます。
34校→20校にするらしい。
さて、上の記事にあるように、、、、
学校数は、現在の全日制34校から20校程度までに減らす方針です。
少子化が急速に進む中、各校1学年あたり200人から250人の規模を維持するため再編整備が必要と判断しました。
各学校を、3つの規模に分ける考えで、拠点校となる大規模校は募集定員の目安を1学年400人から480人程度とし、校舎の新築も検討します。
KNB NEWS NNN
県立高校再編で34→20校に 2038年まで実現へ県教委方針
と、県内の高校を「再編整備」≒「統廃合もする」「新設もする」、色々やって34校ある全日制高校を20校まで減らすことを決定した、というニュースが出ました。
学校規模も「大規模(2〜3校)・中規模(13〜15校)・小規模(3〜4校)」と決めて、、、進めていく、ということです。
英断というべきか、愚策となるのか、、、。
何にしても「子どもの数が減る」のは間違いないですし、「地域によって人口の差がある」のも間違いないことで、、、「今の学校の場所(配置)が悪い」のもおそらく間違いないでしょう。
学校を統合するには「数年の準備」が必要です(2〜3年程度)し、新設するとなると4年くらいかかるのは当たり前だったりします。
そう考えると、2024年〜2038年までの14年間の内、最初の数年は「準備期間」で実質10年かな、と。
毎年「新しい高校が1校ずつできた」として10校しか作れません。統廃合をしたとして、1年に2校〜3校ずつ「廃校・統合・新設」されていくことで「14校なくなり、20校ができる(もしくは残る)」わけで、毎年1校ずつ消えていくペースで進む、、、という感じでしょうか??
北海道はどうだろう?
道内の高校
そもそも、北海道内の高校数が多いので単純な比較が難しいですが、、、。
高校の数で言えば、石狩管内だけで全日制高校は44校あるので「石狩管内≒富山県」と考えてお話できるのですが(笑)
流石に「県レベル」のお話を「地区レベル」で話するのは違うので、一緒にしてお話はできませんが、、、そのくらいの数だということは頭の片隅においてお話をしていきたいと思います。
道内には278の高校(中高一貫校を含んでいます)があります。
で、高校がない市町村が53市町村(30.6%)、私立高校がない市町村は160市町村(92.5%)です。
つまり、公立高校が無いと「他に高校がない」市町村の方が多い、、、というかその公立高校も「通えるのは1校だけの地域がある」というのが北海道、まさに「試される大地」です(笑)。
実は、2014年は高校は296校ありましたので、10年で20校以上減っています(公立・私立合わせて)。
2007年は332校でしたので、17年で54校減っています(同上)。
えーっと、、、道内の高校が激減してる、ってのはわかっていただけたでしょうか?
、、、というか、道内は既に「減らした」状態になっているようにみえるわけです。
札幌市はどうだろう?
札幌は、26校の道立高校、7校の札幌市立高校、20校の私立高校、全部で53校の高校があります。高校の19.3%が札幌市に存在する、というとわかりやすいですかね?
札幌市は高校が多くある地域です。
それでも、稲北高校と稲西高校が合併して北海道あすかぜ高校に(稲北が無くなった)、篠路高校と拓北高校が合併して英藍高校に(拓北が無くなった)、札幌市立星園高校など「札幌市立の定時制高校が全部無くなって」大通高校ができたり、と近年だけでも高校が3校無くなってます(市立開成高校は開成中等教育学校になったので、無くなってない、というカウントですm(_ _)m)。
札幌市内でも地域によっては近所に「高校1つも無い」ところもあって、、、札幌市内に住んでいるのに高校に通うのに1時間かかる地域ってのも普通にあるのが札幌市の状況です。
ちなみに札幌の人口は190万人、富山県は100万人ですので、富山県よりも人口が多いんですが、、、。
富山の田舎の地域と似たようなことが「札幌市内でも起きている」よーな気がしてます。
「これ以上、統廃合できない」になってきている
札幌市内の高校はまだもう少し統廃合が進むと思いますが、道内の高校は統合・廃校が進んで(54校減りましたので(笑))、これ以上減らすことが難しい状況、、、になりつつあると思います。
30%くらい、居住する自治体内に高校が無いわけです。つまり、隣の市町村にある高校へ通っているわけです。
その高校を「統合・廃校」するとなると、、、「隣の隣の市町村に通う」ことに。
ところで、道内の事情として「JRの廃線」で「バス転換」になる地域が増えているのはご存知かと思います。そして「路線バスの運転手不足」という問題も。
田舎のバスは本数が減る、ではなく「路線ごと無くなる」が増えています。「市町村の中心部へのバス」や「隣町の中心部へのバス」は生き残るんですが「端っこから端っこ」の便利な路線は消えている、という表現もできます。
そうすると「隣町の端っこ(ウチの町のすぐ隣)にある高校へ行きたい」時に、「一度隣町の中心街まで出て、乗り換えて高校まで行く」といったことが起きていて、、、。これが「隣の隣の町の高校」となると、、、言うまでもなく、もー無理なわけです。
で、現状、田舎の高校は「1学年1クラス・40人定員(全校生徒最大で120名)」の高校が増えています。そして、現実として全校生徒が100人も居ない(全校で50名とか30名とか)そういった高校が結構あるわけで、、、。
採算を考えると「潰して統合、もしくは廃校」を考えたいところですが「隣町の高校が200km先」みたいな高校がいくつかありまして。またそうじゃなくても「隣町の高校は20km」だけど、交通機関で通うとなると「バス乗り換えが必要で1時間以上かかる・保護者が車で送迎するなら15分」みたいな地域もありまして。
→ 統合・廃校すると「公共交通機関では通えない」とか「一人暮らししないと高校に通えない」という地域が増えるのは「どうなんだろう?」ということで、今は廃校が止まっているよーにみえます。
とはいえ、、、更に生徒数が(というか人口が)減る状況が見えてきたら、サクッと廃校にしていくだろうと思われます。ここから数年は「踊り場」で、廃校されずに(統合されずに)残る高校は多いと思います。が、数年先(5年?10年先?)を見ると「潰さざるを得ない」=「高校からは一人暮らしする地域ができる」だろうなー、と。
札幌市は、田舎の地域があって(クマ出ます・エゾシカ居ます)、、、その辺り(特に南区)は高校が非常に少ない地域になります。
交通の便も決して良いとは言えない地域があって、高校に通うことを考えると「バスと何かを使わないと無理」な地域があるわけです。
都市化が進んでいる札幌であっても、端っこの地域(外れ、というと怒られますかね?)から高校に通うことは難しくなっていっています。また、その外れにあった高校(例えば拓北・稲北)は統合されて無くなってしまっていて
→ ここ数年「あすかぜ高校_廃校」とか「東豊高校_廃校」で検索してウチのブログを見に来る方は多くいらっしゃるよーに、「端っこ地域にある高校が統合される・廃校になる」だろうとみんなが思っているわけです。
富山を見て、札幌を思う
富山県が「英断」と言えるかもしれないのが「学校を建て直す」と言っている部分で、、、。
これ、どこまでやるかわかりませんが「高校の場所自体を動かす」可能性も含んでいるよーです。
例えば、高校が「交通の便の良いところ」に移ってくれると「通いやすい生徒が増える」わけです。
札幌の端っこ地域の場合、家の近所か「バスターミナルの近く」に高校があるとスゲーありがたいわけですよね、通いやすいから。
もしくは「地下鉄駅から徒歩で」「JRの駅から徒歩で」の範囲にあってくれると、、、スゲーありがたいだろうなー、と。
そうなると、高校の数を減らすことができる+大規模校を作ることは難しくないかもしれない、、、と思うわけです。
→ 富山県がどういったアプローチで高校の再編整備していくのか、見ていきたいなーと思っています。、、、建て替えだけで終わるんだったら、結局「通いやすい高校に集中」することは変わらないだろうし、「通いにくい地域」の人たちは通いにくいまま、、、だろうなー、と思います。それだと「再編整備する意味は?」となるだろうなー、と思うんですが、どーですかね??
道内は既に(予算的にも、地理的にも)限界まで高校数を減らしつつあります。
この先減らすとなると、、、さて、どこから?(多分、連携校からだろうなー)そして、どこまでやる、のでしょう?
このまま行くと、「この地域の人は高校は**市に行く」みたいな状況が生まれそうです。近隣の大都市にしか高校がない、という状況は想像に難くないかと思います。
→ 「教育(特に公教育)とは?」という考えを皆がしっかり捉え直すいい機会になる、、、と良いんですが。放っておくと、教育格差どころか教育の機会均等が全くどーしようもない状況、ってのも生まれそうです(既に大学入試では生まれてるんですが、、、まあ、それはまたその内)。
北海道や札幌も、「もう一段階、高校再編」というか「小学校、中学校、高校の再編整備」が進みそうな気がしています。特に「義務教育学校(小中一貫)」や「中等教育学校(中高一貫)」を利用することで先生の必要数減らしつつ、学校の数を維持する、は増えていくだろうと思うのです。
同時に「多様な生徒に対応するためには、学校の数はある程度あったほうが良い」という意見もあります。
究極的には「大きな政府・小さな政府」の考え方とかのお話になっていくので、ここら辺で終わりにしておきます(笑)。
富山、どーなるか、しばらく注目してます。
おわり。
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