「中学生の学力が低下している」というポストが増えている(2024年11月現在)

10年ほど前に、道立高校を辞めて家庭教師をし始めました。
その前後から感じていたことなんですが、、、「学力落ちてる?」というお話です。

中学生 学力低下 でXを検索すると、、、

x.com

大量にポスト出てきますよね、そりゃ(笑)。

で、、、

こんなのだったり

こんなのだったり、が散見されるわけです。
どれも大雑把に括れば「中学生が学力低下してて、それがどーやら全国的(らしい)」というお話です。

私もここ数年で落ちてきてる、と思っている一人ではあるのですが、、、。
ちょっともう少しだけ「深堀り」しておきたいと思うのです。

学力が落ちたのか、難易度が上がったのか?

例えば英語。
数年前、小学校でも英語の学習がスタートしました。
小学校の英語学習の中心は「対話・会話」=「話すこと」を中心に据えています。
ですが、中学校の英語学習は御存知の通り「書く」を中心に据えています(というか、書く・読むの両方を重視するように変わってきています)。

結果、、、下のpostのよーなことが起きています。

小学校では「英単語小テスト」をしているところはほぼ無い状況ですが「小学校でやった英単語を使った文」は当たり前に出てきますし、文法的な説明せず「わかってるでしょ」的に進んでいく教科書が多い(けど、授業で先生たちが時間取って教えてる)状況で、、、「中1英語・難易度が上がった」と言えそうです。
X上では結構いろいろと議論されていまして、、、曰く「小学校から対策してないとダメ(だから、早めに塾で始めるといいよ)」と。

ここ数年「英語を教えても教えても理解しない生徒が居る」とは感じてます。
、、、ただ、ウチの塾(家庭教師)に来る生徒さんは「スゲーできない生徒」が来ることも多いので、そういう生徒さんが多いだけかなー、と思っていたんです。
家庭教師始めたころ(2014年頃)から「教えても英文法を理解できない/理解しようとしない/覚える意味がわかってない」生徒さんはそれなりいたのですが、ここ数年は「多くなってる」と感じています。

多くなってる、というのが正しい表現じゃないよーな気もしていて、、、
「学力はあるけど、ゆっくり積み上げる/多段階で考える、ようなちょっと面倒なパターンの学習ができない」生徒が居るような気がしてます。
、、、で、これは「生徒(たち)の能力が落ちてるというよりも、難しくなってるんじゃないか?」と思っていたところに、上のpostがあったので「あー、やはり」と腑に落ちたよーなところもあって。

とはいえ、、、「点数をちゃんと取る生徒/中1の英語で困らない生徒」も居るわけです。
難易度が上がったとしても「特に困っていない/今までと変わらない」生徒たちが居まして。
さて、、、何がどーなってるのか?ということなわけで。

フタコブの点数分布

高校教員してたときからよくあったのが「平均50点だけど、50点付近がほぼ居ない」という現象。
いわゆる下のグラフのよーな、「フタコブ型の点数分布」をしてる場合。
平均点は50点付近になりますが、70点以上と40点以下にバチッと分かれてしまっている、、、ということがあるわけです。

適当にグラフ。フタコブ型(双峰型)

で、「学力低下(難易度up?)」と「でも、できる奴らがいる」を考えると、、、教えている側が最初に思い浮かぶのは「フタコブ型の状況がありそうだな」ってことで。

つまり「スゲーできる生徒たち」と「できない(苦手な)生徒たち」に二分されていて、中間層が居ない状況。
でも「テストは、中間層(今まで50点取っていた人たち)に向けたような難易度」になっているんじゃないかな、と。でも、その結果「フタコブ型」になっていて、、、。

おそらく「中学生の英語の難易度はupしてる」んですよね、、で、その上で「でもちゃんと勉強して、点を取っている生徒が一定数以上いる」んですが「今まで苦なく50点くらいを取っていた生徒層の点数がガツッと落ちている」というのを目にしている、、、んじゃないかな、と思っています。

難易度が上がったので「今まで苦なく」学習していた生徒が同じようにやっても「点数が上がらない」状態になっていて、、、「きっちり・丁寧に・みっちり」やらないと点数が上がらないようなテスト内容(授業内容)になってきていて、、、「何となく・苦なく」点数が取れていたような「中間層」が点数取れなくなってる、、、というのがあるんだろう、と思っています。

それだけでは説明しきれない部分がある

上でも書いた「どれだけ教えても理解できない生徒」≒「学力はあるけど、ゆっくり積み上げる/多段階で考える・ちょっと面倒なパターンの学習ができない生徒」が増えているのは何故?という部分はこれだけでは説明しきれていないかもしれないなー、と思います。

で、色んな意見が出てくるんだと思います。
曰く、、、

  • コロナの影響
  • スマホの使いすぎ
  • 動画コンテンツの影響(コンテンツが流れてくる≒自分から動かないでも答えが来ると思ってる?)

といった意見が出ているよーで、、、まあ、確かになー、と思うことは多々あります。

私個人としては、、、「多段階で考える・一問一答ではない形」の学習が全教科科目で増えているせいかなー、と思ってます。

ここ数年の大学入試、高校入試が「記述・思考の問題」に移行されているのはご存知かと思います。
「知識の詰め込み」よりも「知識を利用する」よーな問題が多く出題されるようになっていて、、、もちろん授業でもそういった「考えさせる問題」が増えているわけです。

その「知識を利用する問題」が、どの教科(科目)でも授業内でやるよーになっていて。一段階でなく、多段階で考えないと解けないよーな問題が増えているよーな気がしてます。
(多段階(多段階思考)のお話は、またそのうち書きますm(_ _)m。スゲー長くなるので)

で、、、。
何にしても「多段階で考える・一問一答ではない問題」が増えたことで「今まで中間層に行けていた層」が「点数が取れない」になっている、と考えています。
、、、ところが高校入試ではそれなりの点数を取るので、それなり高校進学は問題なかったりするんですよね(大学入試に向けてはとても大変になるんですが)。

結果として、「できないやつが増えた、でも高校入試は大丈夫」みたいな「よくわからん」があって、、、、。
説明できない・説明するとなるとスゲー長くなる・こんがらがった原因で起きてること、の結果が「中学生の学力が低下してる」だと思ってます。

まとまらない、まとめ

学力が低下しているのか、授業が難しくなったのか、、、ちょっと何とも言えないところがあるなー、と思ってます。

学習内容は増えて、難易度も上がっている、、、のは学習指導要領を読めばわかってもらえると思います。
それがどーやら「今までとは学習の方向が違う」ってのが出てきていて、、、というのが私の認識。
それ以外にも「中1英語が一気に難しくなる」という問題もあって(難しくなる、というか小学英語がうまく機能していないよーな)、、、。

単純に「学力低下」と言い切れないし、単純に「原因はこれです!」とも言えない状態です。
ただ「たぶん、こんな事じゃない?」くらいまではわかっていると思います。
スマホで遊びすぎてると点数は下がりますし、コロナの時期にしっかり勉強していない生徒は学力下がってますし、「考えるの苦手で授業で手を抜いてる生徒」は点数取れなくなってる、のは間違いないです。

→ 単純になにか一つではないけれど「たくさんある小さいことを一個ずつクリアしていく」ことで対応は可能。
ただし、、、対応すべきことが「細かくたくさん」あるので一つのことだけに集中しがちな生徒には難しいかもしれないなー、と思ってます。

まとまらず、おわり。

この記事を書いた人
すぎやま

札幌の家庭教師屋さん・家庭教師がつくる塾BASEの人
名古屋出身・富山大学卒・富山で小学校講師・北海道で公立高校教員・家庭教師をしていたら塾ができていました。

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