定時制高校が無くなる?というお話。

定時制高校“減少”…増える不登校生徒が「行き場を失う」、通信制は代役になれない?
9月に入り、夏休みを終えた児童・生徒は新学期を迎えているが、この9月というタイミングは不登校児童・生徒が多くなる時期でもある。実は、不登校児童・生徒の数は小中学校において、この10年で約19万人も増えた。その一方で、不登校経験者のセーフティ...

こんな記事がありまして。
細かい内容はおいておいて、、、道内でも札幌でも定時制高校が減っているのは事実です。
じゃ、定時制に来ていた層は今どこの高校に行ってるのか?と定時制どーなるんだろう?というお話です。

定時制が無くなってる

ここ10年で、定時制高校はどんどん減っています。
札幌市内で言えば「札幌市立の定時制高校・新川高校や平岸高校、啓北商業、星園高校(昼・夜)」が「大通高校(朝・昼・夜の3部制)」だけになりました。

それ以外に、、、無くなってはいないですが、札幌北高校の定時制は1学年3クラスあったのが1クラスだけに、、、他の札幌市内の定時制も1学年2クラスだったところは全て1クラスになって、、、現在1学年が複数クラスに分かれるのは大通高校だけ(しかも、大通はクラスの概念が若干違うのです、、)になったハズ。

そんなわけで、定時制の定員はどんどん無くなってます。

代わりはどこか?

定時制に行っていた層が全く居なくなった、ということは考えにくいわけです。
定時制に行かず、どこに行った??と考えると、、、

  1. 全日制が入りやすくなっている、というか倍率1.0倍以下が増えたので、道立の全日制に行っている
  2. 私立の通信制高校・通信制サポート校に行ってる

の2つかな、と思うわけです。

全日制が入りやすくなっているのは、ご存知の通り「子どもの数が減っている」ことに起因していて。
高校の数が子どもの人数に対して多いので、全ての受験生が(どこでもいいのであれば)道立高校に入れるような状況にあります。その結果、札幌市内の高校でも何校か倍率が1.0倍を切って「出せば受かる」状況になっています。
→ 今まで定時制に行っていた層の一部「学力が足りていなかった受験生」は全日制受験が可能になり、定時制ではなく全日制に、となっていると考えられるわけです。

私立の通信制高校・通信制サポート校は、皆さんも色々お話を聞いたことあるかもしれませんが、、、。
「とても、緩い」です(笑)。
もちろん、進級にルールはありますが、、、全日制や定時制と比べると非常に楽です。制服や服装のルールも特に無いところが多いですし、、、わざわざ定時制に行くよりも楽なところがあるなら、無理して「夜に通う」ことはしないだろうなー、と思います。
(先輩から「定時制より通信の方が良いぞ」という話も流れてきているようです、、、。そういった「遊びたい子たち」のネットワークは強いですね、昔も今も)

この先、定時制はどうなるだろうか?

たぶん、夜間の定時制は減ると思います。
どう考えても「夜にわざわざ通う」よりも「通信制や通信制のサポート校」に行くほうが通いやすい(毎日行かなくて良いので)わけで、、、。「仕事しつつ通う」という選択を取る受験生が増えない限り、夜間定時制は無くなっていくだろうなー、と思います。

昼間定時制は増えるかもしれません。私立高校で部活動をガッツリやりたいところは昼間定時制にしていくかもしれないなー、と思っていて、、、。それ以外にも、この先教室が空いている高校が増えてくるので、空いている教室を「昼間定時制」にしていくこともありそうだな、と。

個人的には、、、定時制で働いていた元教員としては「夜は夜でとても良いのになー」と思っていて。
ただ、「どんな生徒が居るの?」「夜の時間で通うのが出来る?」と、、、明らかに今までとは違う時間帯での生活になるので「大きな不安」を感じるのもわかります。
起立性調整障害の子とかが定時制で大丈夫だった話とか(ダメだった話もあるな、そういえば)、一度社会に出てみたけどダメで定時制で仕事しつつ頑張って、、とか、不登校だったけど定時制くらいの学校だったら大丈夫で、生徒会もやって、大学にも進学して(大学も2部)、、、とか。定時制だったからできたなー、というのを見てきているので、、、無くなってほしくない、とも思っています。

、、、公立ではなく私立が下支えをしていく、という形になっているのがホントに良いのかどうか?というのが私が心配しているところではあります。公的な下支えが無くなっていくと、お金がないとスゲー困るようになるので、、、。不登校の話をするよりもこっちの方が重要なんじゃないかなあ、、、と考えてます。
下支えという意味で考えると「定時制は無くならない」だろうなー、と。

ただ、今までの定時制の存在意義は「無くなる(減っていく)のは間違いない」と思います。
通信制や通信制サポート校が今まで定時制が担っていた部分を担っていくことに(既に担っているかも)なるんだろうな、と思います。

定時制、大きく形が変わっていってほしいなあ、と思っています。
昼間農家で働いて、夕方から農業科・定時制で学ぶ、とか繁農期だけ学校休みの昼間定時制とか(既にある)昼間働く・夜工業科・定時制で学ぶ(もしくは逆)とか、、、就職と一体化した定時制ってのは一考の余地があると思うんですよね。特に「仕事する気無い・何していいかわからない」といった子どもたちに対しての答えの一つとして。

まとまらず。

「大学に行けば安泰」では無い時代に入ったので(既にそうだと思います。「この先そうなる」ではなく)、自分がどう生きていくのか「仕事までを意識して、キャリア・スキルを積んでいけるか?」が大事なことになっていくだろうと思います。同時に「よくわからんけど、コツコツとずっと同じ仕事をし続けて技術を磨き続けた」みたいな強さも大事なことになる気がしています(≒伝統工芸士だったり、大工さんだったり=職人さんたち)。
今まで私たちがしてきたような「進路・就職」ではない時代に、どういった形がより適切なのか、、、考える必要があるなー、と思ってますが、、、さて、どーなんでしょ(笑)。

そこまで大げさに言わないでも「ちゃんと1人で生きていけるだけの知識を身につける」と昔から言われているんですけどね(笑)。

終わり

この記事を書いた人
すぎやま

札幌の家庭教師屋さん・家庭教師がつくる塾BASEの人
名古屋出身・富山大学卒・富山で小学校講師・北海道で公立高校教員・家庭教師をしていたら塾ができていました。

すぎやまをフォローする
高校
シェアする
すぎやまをフォローする

コメント

タイトルとURLをコピーしました