読書感想文「発達障害と生きる親子のための小学校コミュニケーションハック」

なちゅさん(@itacchiku )の本発達障害と生きる親子のための小学校コミュニケーションハック」を読み終わりました。非常に面白い。何というべきか、、、なんと言っていいのか、とても難しいのです。

ただ、間違いないのは「全保護者、読んどけ」ということです。ある日急に何があっても、学校に対応してもらうのに必要な力は間違いなく付きます(笑)。

読み終わりまして、感じたこと

とても、細やかで、、、色々な部分で「あー、納得」というか「腑に落ちる」というか、、、と思いつつ読みました。
私が「元高校教員」だったりするので学校側の対応を考えながら読んでしまうところあって、、、先生が読んでおくべきだなー、というのが一番の感想だったりします。

先生の仕事してると「全体」を意識してしまって「個」を忘れてしまう瞬間があるんですよね(例:クラスの1人に対して注意する内容を授業中にクラス全体に注意喚起してしまう)。
忘れてはならないのは「個が集まって集団となる」こと、その子が苦しんでいるなら「それを何とかする」ことはとても大事なことで、、、(とはいえ、40分の1でしか無い、という視点を持ってないとクラスは運営できないこともある)。

先生の仕事は「受益者が複数いる」と考えられていまして、、、
「生徒(児童)」とが第一の受益者ですが、「保護者」も受益者である(子どもの成長を助けてもらう・促してもらう、という視点)と言われてまして。
つまり先生は「保護者対応も本来の仕事の一部である」って考えもあって、、、そういう意味ではこの本は「保護者とどうコミュニケーション取るか」を考える良い教本(?)になるような気がします。

学校対応・保護者対応、という視点

「学校にどう話を持っていけば良いか」は私も保護者に向けて色々お話をします。
「これが正解という方法は無いけれど、『私の要望を通せ!』は絶対に通用しない」とはお伝えするようにしています。学校はどうしても「全体」を意識します。ですので「私だけ!」は意識外で嫌われてしまって、、、意見を聞いてももらえない、とかがあると思っています(私の個人的な偏見ですが(笑))。

「学校に意見を通すために、先生たちと仲良くしておく」というライフハックはネットでよく聞きますが、、、それ以前に「担任や学校と敵対的な関係」で無いほうが良いのは誰でもわかることかと思います。
誰とでも仲良くする必要は無いと思いますが、誰とでもケンカする必要も無いと思います。
誰とでも話せる距離感が理想、ですね。
誰とでも話せる距離感はコミュニケーション能力としては非常に高い力だと思うので、「特定の先生(担任・支援級の先生、など)と世間話ができる状態」にしておくと楽ちんだろうなー、と思います(し、本の中でもそういった方向のお話が出ていました)。PTAや保護者会など、集まりにたくさん参加してくれている保護者は職員の中でも名前が上がって(管理職からも認識されていて)、話がしやすい環境、、、になりやすいです。
(本来はどんな人であっても等しく認識できていて、話も同じように、、、というのが理想ですが、先生はヒトなんで、どーしても「よくわかっている人」を優先してしまう事があります、当然ですが(笑))

保護者側の視点に立つとどうでしょう?
「学校に言いたいことだけ伝えれば満足」でしょうか?
たぶん「子どもの状況が改善される」ことが最終目標・最終目的であって、「伝えれば満足」ではないと思います。

「コミュニケーションを取る」のはあくまで手段であって、実利・目標・目的はその先にあるはずです。
ただ、その目的を達成するために(実利を得るために)、先生と話をし「こっちが何を考えているかは伝える必要がある」し「相手が何を考えているか知る必要がある」し「子どもにとってより良い状況・状態を作る必要」があるわけで、、、、。

学校(教育)ってのが相手だと「こうすれば、こうなる」という明確・明快な方法(解答?解決法?)があるわけでは無いので、、、。その時々、その子ごと、その場その場に合わせた対応をしていく体制、が必要になって、、、それは「学校内」だけではなく(より多くの場面を考えると)「家庭内・お家側」での対応も重要になるわけです。

つまり、学校に対応をお願いするということは「家庭内でも同様の対応をする」し「家庭側の事象(塾・習い事)においても同様の対応をしてもらえるようにする」ってことも考える必要ある、、、ハズです。
なちゅさんはどこに対しても同様にお話しているといった内容が書かれていたように、家庭側の習い事などでも同じように要望していく必要があるわけで、、、、「学校とだけコミュニケーション取れればいい」ということでも無いわけで、、、。

どーしても「保護者が対応の中心になる」んですよね。
どーしても「保護者に過大な負担がかかる」んですよね。

なんとかしたいなー、と思いつつ、、、そこは外から何もできないなー、と思いつつ。

読書感想文?

明らかに感想文ではなくなりました(笑)。

当初はもう少し読書感想文っぽく(夏休みも終わる頃だし)と思ってましたが、、、この本、良いんですよ、すごく。オススメしたいんです、先生側にも。
、、、と思いつつ、あーでもない、こーでもない、、、と書いてしまったわけです。

本の内容はもっと「わかりやすく、試しやすい」ことがたくさん載っています。
私が普段生徒(や保護者)に対して伝えるときに使っている方法があったり、交渉のときに使う技も似てるなー、と思ったり、、、たぶん、きっと世代が近いんだろうなー、と勝手に想像して勝手に納得していて、、、とても、楽しく読みました。

不登校や発達障害など、学校と交渉・お話をする機会が多い保護者の方は必読だと思います。スゲーおすすめです。
同時に、学校の先生も「保護者が伝えたいことが多い、どう伝えようか困ってる」という視点が得られてとても良いと思いますし、お互いのコミュニケーションが楽になる気がして、、、おすすめです。

何にせよ、、、なちゅさんの本、スゲーよかったです。

おわり。

この記事を書いた人
すぎやま

札幌の家庭教師屋さん・家庭教師がつくる塾BASEの人
名古屋出身・富山大学卒・富山で小学校講師・北海道で公立高校教員・家庭教師をしていたら塾ができていました。

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