(続)学習障害の生徒に教える、という話。

前回に続いて、、、学習障害の生徒さんにどう教えるといいか、というお話。
今回は「実際に解く」部分のお話です。

このお話の続きですm(_ _)m

どう教えましょう?

前回、こんな問題でお話していました。

家から駅まで1200mある。兄が10時に徒歩で家を出て駅に向かった。5分後に弟が自転車で追いかけて、20分後に追いついた。兄が分速30m、弟が分速200mだった時、家から何m地点で追いついたか?

前回は「問題を読み解く」までで終わっていました

  • 読むことが難しそう
  • 読めるけど、意味がわからない
  • 兄・弟が逆になる(読み取れていない)
  • 距離と速さが問題を見ないで出てくるか

の4点で「読み解けているか」を確認して、、、まででしたね。
さて、ある程度以上「読めて・理解してる」なら、解いていきましょう!


方程式をつくれるか(xを使って式を立てる・何がイコールになってるか)

この問題文の中で「何か」と「何か」がイコール(=)で結ばれるわけです。
何がイコールなのかを考える必要があります。←問題文の中にある「言葉が式に置き換わる」かどうか、
同時に、、、

たし・ひき・かける・わる、どれを使うか判断できる
→ 速さの計算をどこまで使いこなせるか?

さて、この問題文はかけ算で表せる問題なのかたし算の問題なのか、それとも、、、という判断ができるか?
イコールになるもの(問題文の中にある「言葉」)が「かけ算で出す式」がイコールになるのか、わり算の式なのか、、、がわかっている必要がありますね。
今回は「速さの計算で距離を出す式」(出題年代としては中1程度ですので、速さの計算が苦手な生徒はある程度多い、と考えて教えます)ですので「速さ×時間=距離」で「速さと時間の数字(か文字)があれば距離が出せる」ことを何となく(言語化できてなくてもいいので)理解していると、方程式が出せるようになるハズ。

→ 問題を解く時には「同時に複数のこと考える」ことが多いんです。今回の場合は「方程式を立てる」ために「どんな計算をするのか」を考える必要がある、わけです。

「同時に考えれるか」もしくは「1個ずつであっても式が立てられるか」は、文章題を解く際に必要な「推論(算数的な推論)」が立てられているか「論理的に考えているか」を見るためにチェック必要です。

特に今回の問題であれば、「追いついた=速さの計算を使う」がわかっているけど式が作れないのか、追いつく=「兄・弟の移動した距離が同じになる」ことがわかって式が作れるのか、を見ます
具体的には

  • 「速さの計算を使うのはわかるけど、何していいか全くわからない」
    → 問題でイコールになりそうな部分を考えさせる(「数字に印を付けているハズだから、それはヒントになるぞー」とか「兄はどれだけ移動した・弟はどーだろう?と数直線を書かせたり」する)。
  • 「速さの計算使って距離を出すのが、かけ算なのは知っているのか」
    → なんで距離を出すのか?・問題文にある数値から出せるのは「距離だ」とわかったのなら「何の距離?」という質問をするといいかも。
  • 「速さの計算わかる・距離も出せる・追いつく時に何をすればいいかわからない」
    → 追いつく状況を数直線(や絵)にしてみてもらう。追いつくこと=移動距離が同じ、になることを図にできるか確認。

ここまでが「式をつくる」=「立式」と呼ばれる部分です。
「ディスカリキュア(計算障害・算数障害)」は計算自体ができない・算数的な推論ができない、といくつか分けられていて、、、ここでは「推論」の部分を多く見ています(計算力や複合的な力も見ています:読み解く段階で算数的な推論を見ていたりします)。


方程式を理解できてるか?

実際に解く、となると、、、

  • 移項できる
  • 両辺を同じ数で割る、ができる

の2点の「方程式の計算の基本」ができるかどうか、の確認が大事ですね。
ここら辺は「技術的にできる/できない」のお話です。
、、、最終的に「計算できるかどうか」というお話に近づいていく部分ですね。

  • 分数の計算できるか?
  • 約分できるか?通分できるか?分数のかけ算・わり算大丈夫か?
  • 小数の計算できるか?
  • 小数→分数にできるか?
  • 2桁・3桁のたし算、ひき算は筆算しないで解けるか?(繰り上がり・繰り下がりが「サクサク」計算できるか?)

などのポイントは確認しないとダメだと思います。一つの問題で全部確認するのではなく「色々問題を解かせながら少しずつ確認」していく感じですね。
この段階で見ているのは、「計算の能力」や「数字を扱う・理解する力」を見ていて、、、。
単純な計算(たし算など)ができないから「文章題ができない」という可能性も十分ある、と思って見ていく必要があります。
→ 計算力だけが低くても「立式できない」ことは多くありますし、立式できたように見えても「その式が何を表す式なのかわかっていない」ことも多いです。
→ ディスカリキュアかどうかはわからないです。それっぽい、、、とは思いますが確定的に何か言えるわけでもない、、、ってのがホントのところだと思います。


で、、、それって教え方としてどーなの?

えーっと、普通に教えてるだけだと思います。
「その生徒ができないところを把握しつつ進める」と同じこと(同じようなこと?)をしていくわけです。
その「できない」が「どのくらい」なのか、「繰り返し覚えることもできない」のか、を「問題の途中で止めてでも確認しつつ進める」ことが大事な時があるなー、と思います。

、、、例えば「分数の計算」。
教えた後、しばらくすると「全く使えなくなる」生徒さんは結構多いです。
ルールとして難しいわけじゃないんですが「最小公倍数」だったり(分数のたし算)「最大公約数」だったり(分数の割り算)を利用していて、、、小学校の算数の積み残しが「ほんの少しずつ」だったとしても「全くできなくなる」ことは多くあります
その積み残しをなくすことでできるようになる場合もありますが、積み残したものが「消えない」=「やってもやってもまた積み残される」場合があります
→ それが「学習障害(算数障害)」なのかどうかは大事なことだと思っています。
  学習障害じゃない場合も多々ありますので、そこを確認して進めていけると「本人が学習しやすくなる」ハズ。
それ以上に「計算できること・算数的な推論ができること」はこの先の学習において非常に大事だと考えています。

、、、ただ、それもまた「生徒さんごとに違う」ので、一概に「繰り返せばいい」とも「このくらいできないと、学習障害だ」とか言えるものではないことは間違いないわけで、、、お医者さんに診断してもらったり、言語聴覚士さんに調べていただいたり、、、をする必要があるんだろうなー、と思います(心配であれば、ですが)。

学習障害を教える?→ いえ、生徒に教えてるだけなんです、結局のところは。

で、、、、。
「どうやったら(この生徒さんが)できるのか」を突き詰めていくための「ツール・道具」として「学習障害という指標を使う」のであって生徒をラベリングするために使う」のは「お医者さまにお任せ」でいいかなー、と思っています。

それは、、、。
教えるという「動作」において「学習障害」や「発達障害」というものは「学習のしやすい方向」だったり「苦手な方法がわかる」といった「どーやって教えるといいか」「どう教えるべきか」という「その生徒へ教える教え方が理解できる」ために使うものなんだろーなー、、、(知らんけど)と考えていまして。

で、ウチの塾(すぎやま)は「学習障害の専門家」でも「発達障害の専門家」でも無いなー、と思っています。
「専門では無い!」と思っていますが、、、詳しいですよ、スゲー(笑)。
だって、詳しくわかっていないと「普通に教えられない」ことがあるんで、必要なんですよね、当然のこととして、、、と思っています。

、、、専門家とか専門で教えている塾・家庭教師であれば、「大学で授業を持っていて研究しつつ、、、」というところがいくつかあるようなので、そのレベルになるかなーと思うわけです。そうじゃなく「専門です!」と言われると「野球を小学校の時やってたので専門家です」みたいな気持ちになる、、、のは私だけなんでしょーか(笑)、心が狭い、、、のか?(笑)。
ウチは「教えるのが専門」です。その結果「学習障害」に(も)詳しくなっている、というのがより正しい表現なんだろーなー、と思います、、、というお話でしたm(_ _)m

入塾・家庭教師について

面談・体験授業からスタートしています。

前回に引き続き、学習障害のお話でした。
ウチの塾、専門ではないですが発達障害・学習障害に対応して教えています。
、、、WISCを読めと言われれば読み取りしますし、学習障害の検査に関しても「こういった形で・こういった検査で・こんなことわかる」というお話程度でよければできますし、、、結果「普通に1対1で教えることで対応していく」ことがどんな生徒さんにも大事なんだなー、と思ってる、んです。
何か、ご心配なことあれば、お話伺うこと可能です(最近お問い合わせが増えて、、、生徒も増える時期に入りましたm(_ _)m)。お問い合わせいただければありがたいですm(_ _)m

個別のご相談もこちらからお願いします。

家庭教師がつくる塾BASEホームページ
札幌の家庭教師屋さんホームページ も御覧ください。m(_ _)m

この記事を書いた人
すぎやま

札幌の家庭教師屋さん・家庭教師がつくる塾BASEの人
名古屋出身・富山大学卒・富山で小学校講師・北海道で公立高校教員・家庭教師をしていたら塾ができていました。

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