小学校の教科担任制を考えるお話。
中教審で小学校高学年(5・6年生)での教科担任制導入の議論が始まったようです。中教審で始まったってことは、ほぼ間違いなく導入決定ってことで、、、教科担任制が小学校でもスタートします。(2020.08.24追記あり)
どういった事なのか詳しくは下記のニュースを読んでみて下さいm(_ _)m。
導入されたとして、どうなるか、、、できるのか?というあたりのお話を中心にしております。面白くないです、たぶん(笑)
マイナスな意見が多いような感じがします。
「小学校高学年で“教科担任制”の導入を検討 SNSでは「担任の負担が減るのは良い」「教員の働き方改革が先では?」などの声」(Yahooニュース)などを見ても「導入する前に教員増やすべきじゃない?」とか「全学年でやらないと時間取れないんじゃない?」といったマイナスの意見が多いようでした。
実際に導入されると「5・6年生の担任を拒否する先生」が出てきてもおかしくないだろうなー、と思います。
仕事量が減るとは考えにくいんですよねー。
実際に時間割作って考えてみる。
おそらく、その学年(たとえば6年生)の先生の中で教科担任をすることになります。現状「担任とあと1名」くらいで学年の先生(学年団)が形成されている。→この人数で「教科担任」を考えるわけです。
現状、理科・算数・英語の3教科を行う方向で調整、、、ってことは、1学年3学級以上でないと「教科の準備する時間」が新たに取れない、ってことです。
1学年3学級の小学校で考えてみた。
簡単な時間割を考えてみると、、、
1組(担任・英語専門) | 2組(担任・理科専門) | 3組(担任・算数専門) | |
1時間目 | 国語(担任) | 社会(担任) | 家庭科(担任) |
2時間目 | 算数(3組担任) | 英語(1組担任) | 理科(2組担任) |
… | … | … | … |
3学級ですと、まず大前提として、「担任が3教科の専門の教員」じゃないとキビシイです。
そうじゃない人が担任持つ→学年団に専門の先生が必ず入る必要がある、ことになります(各学年で奪い合いかも)。
「教科担任制になったから休憩時間出来て準備できる」ことはでも無いかなー、、、と思って、時間割作ってみました。どうやっても2時間目の様に、算数・英語・理科を並べて「自分の学級ではない学級に教えに行く」形になるのでやはり休めないですね(笑)
「理科・英語・算数の専門の先生が学年団に複数名居る」状況なら、担任の先生が休む時間も出来ますし、教科の専門性を上げることも可能かな、、、と思います。
ついでに、、、
2学年分(5年生と6年生)の学年団(1名・理科専門の先生が入ってる)で「教科担任制」をしている→2学年で専門の先生が行き来する、と考えると、、、
5年1組(担任・英語) | 5年2組(担任・理科) | 5年3組(担任・算数) | 6年1組(担任・社会) | 6年2組(担任・音楽) | 6年3組(担任・算数) | |
1時間目 | 国語(担任) | 社会(担任) | 家庭(担任) | 国語(担任) | 社会(担任) | 国語(担任) |
2時間目 | 算数 (5年担任) | 英語 (5年担任) | 算数 (6年担任) | 理科 (学年団) | 音楽(担任) | 理科 (5年担任) |
3時間目 | 理科 (学年団) | 音楽 (6年担任) | 理科 (5年担任) | 算数 (5年担任) | 算数 (6年担任) | 英語 (5年担任) |
ってな感じで、先程の状況とほぼ変わらないですね(各担任ごと色分け)。面白いのは「教科担任を持たない先生(6年1組の社会の先生)は2時間目と3時間目はお休みになる」のです。高い専門性を持って教える先生は忙しくなると言えるかもしれません。(注:音楽も専門の先生が教える形で入れていますが、これは現在でもやっている学校多いかと思いますm(_ _)m)
あ、もちろん、もっと別の方法で時間割組むことも可能だろうと思います。ただし、その場合もう少し人数が要ります。
→学校全体を巻き込んだ時間割編成が必要だと考えられます。場合によっては「1年生の担任(理科専門)が5年生に教えに行く日」を作らないとダメなことも出てくるかもしれません。低学年は「一人の先生が教えていくことが重要だから教科担任制はしない」と明言されているのですが、、、それだと教科担任制が無理な小学校があるかもしれないです。
にーごープロジェクトはどうするんだろうか?
主に札幌市のお話ですm(_ _)m。
現在、算数は「学年一緒にやる」ことで「難易度別クラス分け授業」をしている学校が多い(札幌市の名称「にーごープロジェクト」ですね)わけです。
この先「教科担任制をしつつ難易度別クラス分け」をするのでしょうか?
その場合「高学年は算数を専門にしている先生を2人以上」とかですかね??
それこそ、学級担任を持っていない「専門の先生の人数」が多い学校じゃないとキビシイですし、、、田舎の小さい小学校だとどうしようもないってことになりそうですが、、、札幌市内だとなんとかなる、、、のかな?
実際の小学校の人員数・教科バランスがどうなっているのかわからないのでこれ以上は議論しない方向でm(_ _)m。
やるなら、もっと大きく変えないとダメな気がします。
「現状のやり方に、新たなやり方を加える」という「低学年〜中学年は今まで通り、高学年だけ教科担任制」という形が悪いわけではないのですが、、、色々キビシイのではないかと思っています。
特に理科を専門として学んできている先生はとても少ない(と、元高校理科教員が感じるレベルの授業しか出来ていない)ので、教科担任制が簡単にできるとは思えないのです。
授業自体、大きく変える必要があると思います。例えば理科は「北海道立教育研究所附属理科教育センター」からオンライン授業が中心で進めるとか、動画教材を中心に進めた状況で実験だけ学校でやるとか(同様に、算数の授業も、大丈夫な生徒たちは動画教材中心で先に進ませて、児童ごとに進度が違う形ということも考える必要あるのではないかと)。
教員配置自体、大きく変える必要があると思います。例えば「高校理科免許の先生(理学部出身者多数)に3年間限定で小学校理科の免許を貸与する」ことで、理科教育の専門性を高くするとか。(同様のことは数学-算数、英語でもすることが出来ますよね?)
そう考えていくと、小学校教員の働き方・給与、大きく変える必要ありますよね、間違いなく。おそらく「児童のサポート」をしていくことや「発達段階に合わせた指導」は今の先生たちの能力は非常に高いものがある、、、と考えています(一部そうではない、、といった話は割愛)。そういった高い専門性を持ったまま更に「教科の専門性を高める」ことはとても難しいことだと思います。
ですので「別の人を持ってくる(人員を増やす)」か「2つ以上の高い専門性がある人だけを雇う(給与を上げる必要あり)」か、という部分になってくるかと思います。どっちにしても文科省だけじゃなく財務省との予算配分のお話か、各都道府県が独自財源から持ってくるか、、、ですね。ちなみに、北海道は赤字なんで先生方の給与は20%削減されたままのハズです(ご存知でした??)。さて、いい人材が小学校に行くでしょうか??
まとまらず。
個人的には、小学校だけで教育を完結することは既に出来ていない、と思っています。
ですので、「さっさと外注(大手の塾とか)に出せば良い」と思っています。何故、小学校の中だけで終わらせようとするんでしょう??
専門の先生を増やす(新たに都道府県で雇う)よりも、大手の塾の先生を授業時間だけ借りて来る方がかなり安上がりですし「専門性が高い」のは間違いないハズです(ダメなら交代してもらいましょう、レンタルですし)。
塾だけでなく、大学の先生や大学院生(博士課程)・ポスドクを臨時講師として雇う(教員免許ナシでも臨時免許でOKとする)ことで専門性を高く保つことは可能だと思います。小学生に教えるコツは「最初の1ヶ月は授業を学んでもらう」と割り切ってやるしか無いんじゃないかと思っています。その分高い専門性を手に入れるわけで、、、、結局今いる先生方にご負担かかりますね(笑)。
まあ、何にしても外注したらいいのになー、と思います。あ、もちろん「保護者がボランティアで教える」という方法もあります。、、、そこまでの時間ある保護者さんが多数いるなら、ですが(笑)。
まとまらず。まとめず。
追記(2020.08.24 ) Quoraで質問に答えていました(昨年11月時点で)
入塾・家庭教師に関して
久しぶりに、「教育行政」の話をゴリゴリ書いてみました(笑)
この先、どういった教育がメインになっていくのか、どうするべきなのか、、、を考えています。
ただ、どういう形であれ「勉強ができるけど苦手」「話を聞くのが苦手」といった子が居るのは変わらないかと思います。そういった生徒さんに1対1で教えることをしていきたいなー、と考えているのです。
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