何度言っても問題の読み落としを繰り返す生徒に対してどのような指導が考えられますか?

【何度言っても問題の読み落としを繰り返す生徒に対してどのような指導が考えられますか?】

というお題をfacebookのクローズドのグループでいただきました(所属している家庭教師の会社の代表から)。
他の方に見えない形なので、少し加筆・改変してここに書いておきたいと思います。

私がしていることは、単純化すると「チェック項目を作るートライさせることをしてみる」の繰り返し(反復練習)です。
1.読み方のチェックする
どんな形で問題を読んでいるのか、問題を解かせて横で観察。注意して見るのは、問題を「文字を追って読んでいるのか」「眺めるように見ているのか」という部分です。
これは「文字を読んでいるんだけれどわかっていない」という状況と「文字を追うのではなく雰囲気で解いている」という状況を切り分けるためです。

2.文字を読んでいるんだけれど、明らかに読み落としている場合
「指で文字を追って読む」+「大事そうな所に線を引く」という指示を出してます。「問題には一言一句無駄な言葉は入っていないはずだ」と話すようにしてます。
3.問題を眺めるように見ている場合
文字認識が甘い(視覚情報が弱い)可能性があるので、「声に出して読む」ように指示します(音で聞くほうが認識しやすい)。その後、問題の言っている意味が分かるかを確認して解答させる、という作業を繰り返します。

3.上2つでも出来ない場合
問題を「主語+修飾語+述語」に分けさせて、問題が何を言っているのかという「問題」を出します。  
読み飛ばす子は文を「文字の塊」としてしか認識していないようです。文節に分けて意味を取らせることで(英語と同じで)何が書いてあるのか理解できると思います(文節にわけることも難しく、文節を教えることから始まることが多いです(笑))。その訓練をしながら、問題を解く、、、似たような問題は1人でやらせて、、、という反復訓練をする。

ここに書いたことは非常に単純化しています。
これ以外にもチェックするべきところは非常にたくさんあると思います。
漢字が弱いのか、文字認識ができにくいタイプなのか、時間制限がなければ読み落とさないか、障がいの可能性はあるのか、など。その辺りの「チェック」と何をさせるのかという「トライ」の段階、を細かく作っておくのがいいのかと思います。

また、「一緒にやっている時は問題読めるんだけど、1人でやらせると読めない子はどうするべきか?」というヤツ、、、保護者の方もよく仰る「一緒にやってれば解けるからウチの子できると思うんだけど」という話がありました。

教師をし始めて「初任者研修」という研修を受けている中で『自学をして生徒ができないのは課題設定が間違っているのが50%、生徒がやる気が無いのが50%だ』というありがたくも面倒くさい話を聞きました。
つまり、課題設定が複雑(生徒に伝わっていない状態)だと上手くいかないことがあります。横にいてできる=能力的にはできる(能力的にそれを解くだけの力は準備されている)、と捉えていいと思います。が、その次のステップの幅が大きすぎると超えるのを躊躇する生徒が多いように思います。
「問題を自分で読んで線を引かせる」までを宿題にする、程度のスモールステップじゃないと「自分でできない」と思っている子が多いようです。
時間をかけることはあまりいいわけではないですが「成功体験」というやつを持たせるためにわざと時間を使って、例えばものすごく簡単な宿題や小テストをやって「なんだできるんじゃん」ということをたくさん行って自信を持たせる必要がある子が多いように思います

その上で出来ないことをちゃんと怒って、注意してくれる、、、「ふざけんなバカヤロー」としっかり怒ってくれて優しく教えてくれて、、、、ということを望んでいる子が多くなっているような気がします。

指導としては、非常に古典的な方法「繰り返して教える」ことになると思います。が、それ以前に「その子の状況をしっかり切り分けて教える側がどんな状況で認識をしているのかを把握する」ことの方が大事かと思います。「チェックして、トライさせる」というのはごく当たり前のようでいて、どこでつまづいていて、どこまでは理解しているのかを教える側が客観的にデータとして得ることは経験と方法をしっかり理解していないと難しいと思います。

「チェック」が今回の質問の解答で行なうこととして一番難しい点で、教える仕事で最も楽しく真剣に子どもと向き合う部分かな、と考えています。

この記事を書いた人
すぎやま

札幌の家庭教師屋さん・家庭教師がつくる塾BASEの人
名古屋出身・富山大学卒・富山で小学校講師・北海道で公立高校教員・家庭教師をしていたら塾ができていました。

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