今と昔の「人に関わる仕事がしたい」というテキトーな夢

今と昔の「人に関わる仕事がしたい」というテキトーな夢

昔も今も「人と関わる仕事がしたい」という。

自分が高校生の頃〜自分が高校の教員だった今も「高校生が思うこと」というのはそんなに大きくは変わっていない、と思っています。自分たちと同じように親が鬱陶しくなって、同じように彼女(彼氏)のことで悩んで、同じように進路の活動がイヤになっています。

とはいえ、進路を考えざるを得ないし、そこではかならず「自分がこの先どういう仕事をするのか」を考えるわけです。そこで出てくる言葉が「人と関わる仕事がしたい」というやつです。

これ、真逆のことをいう高校生も居ます。「人とできるだけ関わらない仕事がしたい」と。で、どんな仕事?と聞くとほぼ確実に「事務の仕事」と答えるのです。テンプレートでもあるのかな、と思うほど100%確実に(笑)

まあ、仕事をするとわかると思うのですが「人と関わらない仕事」を探すほうが難しいですよね、今は。事務のお仕事なんて「電話」とか「外勤の人と内勤を繋ぐ」とかが多かったりして、、その会社で一番人と関わってる仕事だったりしますよね(笑)。コッチの話も面白いんですが、今回はこの話は書きません。

高校生の頃ってそのくらい世の中に疎いし、何をしていいのかわかっていない、、、というのがこのお話の大前提で、答えです。

昔は人と関わる仕事といえば「先生」「看護婦さん」「幼稚園(保育園)の先生」だった

昔、「人と関わる仕事がしたい」の後に出てくる仕事は「先生」「看護婦」「保育士」「幼稚園の先生」でした。非常にわかりやすく、夢を抱きやすい仕事だと思います。「自分がこうされたのが嬉しかったので先生(看護婦)になりたいです」という話は聞いたことがある人も多いんじゃないかと思います。

今は「介護の仕事」になってきている。

最近の子に聞くと「人と関わる仕事がしたい」の後に「介護職」と答える子が非常に多くなっています。何で?と聞くと「おじいちゃんおばあちゃんが、、、」と先生やら看護婦さんやらの理由と同じような体験談を聞かせてくれるんです。

何が変わって、何が変わっていないのか

実は何も変わっていないんだと思います。ただ、私が見ている視点は少しへんかもしれないですが(笑)

昔、何故「先生」「看護婦」「幼稚園(保育園)の先生」だったのか?

これって、たぶん1つは「親の刷り込み」です。(女性でも)食いっぱぐれのない仕事、どこへ行ってもそれなり以上の給料がもらえて(なおかつ)尊敬も勝ち取れる仕事。いわゆる「いい仕事」ってやつです。そして、、、、「そこまで高い学力を求められない」わけです。

「そこまで高い学力を求められない」、子どもからしたら楽ですよね。しかも自分がやりたい(と思っている)「人に関わる仕事」です。先生は就職試験に落ちるようなヤツが受けるものだ、と言われていた時代がありました。看護や保育士は「専門学校」であって大学に行く必要がありませんでした(准看護、という方向も含めています)。

つまり、「社会的な地位」と「もらえる給料」と「自分の学力」のバランスの中で、『最も楽に行けてよさそうな仕事』というものを考えた時の落とし所として一番良かったのが「先生」だったり「看護」だったり「幼稚園(保育園)の先生」だったりしたんじゃないかと思っているのです。

今は、何故「介護」なのか

と、いうことで、そのバランスから考えると今は「先生」「看護」「保育士」「幼稚園教諭」は尊敬もされません、叩かれます(笑)、その上給料も悪くなっています(年々減っています)。それを選ぼうという「学力それなり」の生徒は減りました。

そして近年出てきた新しい仕事(でもないんですけどね)として「介護職」。未だに資格が流動的で、介護福祉士を持っていなくても働けたり、ホームヘルパーの資格(旧ホームヘルパー2級:現介護職員初任者研修)がなくても働きながら取ればいいよ、というユルさがあったり、進学しないで高卒で働けたり、、、。

現在の「社会的な地位」「もらえる給料」「自分の学力」で考えても、特に「学力無くても」問題なく働けて『人と関わる仕事である』ということが非常に大きいようです。

親も「介護ならできるだろう」「介護なら食いっぱぐれないだろう」という空気があるような気もしています(未確認、予想)。

そんなわけで、、、

昔看護、今介護、という空気は非常にあります。特に准看が介護に、、、と思います。

でも、それは昔と変わらない「子どもの考え」が根底にあるわけです。

「それなりにしか勉強したくない」「勉強したくないけど、人と関わる仕事がしたい」という甘っちょろい考え。

でも、高校生くらいまでって、そんなもんですよね?今も昔も変わっていないと思うのです。ただ、介護という新しい方向があって、先生やら看護やらの風当たりが強くなれば「若者」はそこへは向かわなくなるのは当然でしょう。ただ、そこの判断基準は(きっと)何も昔と変わっていない。「楽に、楽しく、自分の好きなようにしたい」という思春期の子どもの考え。

と、いうことで、今のトレンドは「介護」です。何でそんなに?と思うんですけどね、私なんかは。「給料安くて仕事はキツくて、夜勤手当が全然出ない」って話がネットにうようよ有るのになあ。何に憧れがあるんだろう?

昔も同じように大人たちは思ってたんだろうか?『学校の先生や看護なんてキツイ仕事を選ぶなんて』って。、、きっと同じことが繰り返されているだけなんだろう。

オチ

ソクラテス(紀元前469年頃 – 紀元前399年)曰く、
「近頃の若者は贅沢が好きだ。行儀は悪いし、権威を軽蔑し、目上の者を敬わず、勉強すべき時におしゃべりやゴシップに興じている。目上の者が部屋に入ってきても立ち上がりもしない。両親に反発し、仲間同士で議論ばかりする。食事中には甘いものをガツガツ食べる。足を組む。そして教師たちをしいたげる」

この記事を書いた人
すぎやま

札幌の家庭教師屋さん・家庭教師がつくる塾BASEの人
名古屋出身・富山大学卒・富山で小学校講師・北海道で公立高校教員・家庭教師をしていたら塾ができていました。

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