絶対評価?観点別評価? 学校の評価はずいぶん変化してる。

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絶対評価?観点別評価? 学校の評価はずいぶん変化してる。

相対評価から絶対評価に変わったのに別になんも変わっていないような、、、でもノート提出とかワーク提出とか、提出物が多くなっていたりしませんか?
絶対評価だからテストの点数×0.1がそのまま10段階評価になりそうなものですが、そうではないです。
ココでは、そうではない理由を解き明かすために「評価って何?」と「相対評価と絶対評価の違い」、「絶対評価の抜け穴」を話します。

評価って何?

評価ってのは、簡単にいえば「5・4・3・2・1」や「10・9、、、・1」のことです。学期ごとにでる「通知表」に載っていたあの数字のことです。細かいことを言うと10段階は評価、5段階は評定、です。評定ってのはその学年の最後に付く成績のことで、法的な意味を持つものです。評価はあくまで途中経過で、、、評定をつけるための数値や方法も評価と呼んだりします。(高校3年だと受験用に「仮評定」がつくわけですね)

簡単に評定は学年末、それ以外は評価、と覚えていてください。

今回はその評定をつけるための方法の「評価」のお話です。
教育現場でよく出てくる「評価」を並べておきます。

  • 相対評価
  • 絶対評価
  • 観点別評価
  • 認定評価
  • 到達度別評価

平成15年あたりから、小中学校でも「絶対評価」が行なわれるようになっています。(より正しく言えば「観点別・絶対評価」ということになると思います、その説明はのちほどに)

相対評価と絶対評価の違い

相対評価
クラス(学年)を1つの集団としてその上位から10%程度を最上位の評価、、、とする形の評価。
クラス全体の能力が低い場合、別の学校(他の集団)の最上位評価との差ができてしまう。このために全国共通模試などを信用し学校(教員)の評価はあてにならないという風潮ができてしまった。

絶対評価
評価点をそのまま評価に換算する評価方法。集団内の位置などに関係なく、数値によって評価が決定する。このため全国模試などと同じような評価結果になることを期待されて導入された。

、、、文字だとわかりにくいです。
表と、図で解説してみます。

あるクラス40人で考えてみます。
評価の点数を「下限を40点、上限を100点」でランダムに数値を作らせました。
表1

国語の評価の点数が表のようになっている時、相対評価・絶対評価の評価の違いが出ています。
それぞれの評価ですが、、、

相対評価 絶対評価
順位 1〜4位 評価点100〜80点
順位 5〜14位 評価点79〜60点
順位 15〜26位 評価点59〜40点
順位 27〜36位 評価点39〜20点
順位 37〜40位 評価点19〜0点

という形で行いました(10段階だとまた違いますが、今回は5段階のみで)。

結果をまとめると

相対評価 (人数) 絶対評価(人数)
4人 14人
10人 13人
13人 13人
9人 0人
4人 0人

一目瞭然ですね。相対評価で評価されていなかった人が明らかに絶対評価で評価されるようになりました。
これはイイことだ!ということで絶対評価が使われているわけです。

もちろん、落とし穴です、これ。元の評価点が「100〜40点、平均70点」という集団、つまり「それなりに勉強ができる集団」という場合には相対評価では評価されない子が多くなってくる、という説明が正しいと思います。

逆のパターンを作ってみます。「評価の点数」を「下限0点上限50点、平均23点」にした場合です。
表2

相対評価 (人数) 絶対評価(人数)
4人 0人
10人 0人
13人 8人
9人 13人
4人 19人

当たり前ですが、相対評価の方が評価が高くなります。昔はこの形で行っていたので「学校間の評価の差がある」ということが起こっていたわけです。

ですが、保護者の皆さんならよくご存知の通り、絶対評価になりましたが「評価5が居ない学校」は無いですし、「評価1が居ない学校」もまた(ほぼ)無いわけです。絶対評価になっていれば『評価5が居ない』ことはおかしいことではないはずですが、そうはなっていない、というのは何故なんでしょう??

絶対評価の評価の抜け穴

抜け穴、たくさんあります(笑)
意識的に利用しているかどうかはわかりませんが、それによって「評価がまんべんなく存在している形」になっています。

評価基準をその学校に合わせたものに変える。

非常にわかりやすいです。上の表1,2の絶対評価でおこなっていたのは「20点刻みで評価段階を決定する」ことです。
この点数刻みを5は100点〜70点にすることで5の評価を受ける人数は増えますよね?これを利用して評価の偏りが無いように調整することができます。

ただ、評価の基準は(通常)年度当初に「シラバス」という形で示します(中学生以上であれば結構普通のはず)。そこに書かれている基準どおり(何点で、5がつく、という表がついている)についているはずです。小中学校の場合は「評価計画」というものを年度当初に作っているはずですので、無いはずが無いのですが、、、。ない場合は、テストごとに基準を変えることできます。

これをすると、学力最底辺層であっても「1」にならず、進学後に勉強についてけなくて困る、、、ということもあるようです。相対評価の時代と同じ苦しみですね、これ。

評価点数の付け方を利用する。

ここまで触れていませんでしたが、表1,2の点数は「評価の点数」です。つまり、テストの点数ではなく、それ以外の事(提出物とか、小テストの結果とか)を全て加味してつけた点数になっています。
昔は「素点」と「平常点」とか言ってたりしました。「テスト8割+平常点2割」聞いたことあるんじゃないでしょうか?
最近は「観点別評価」と呼ばれるもので点数化しています。
大雑把な話であれば、上の話でも出てきている「評価基準」=「観点別評価」と捉えてもOKです。どんなことに対してどんな点数をつけるのか、という事を決めてどう評価するのか、という基準です。観点別評価(Wikipediaへのリンク)

一般的には「四観点評価」という表現が多いようです(国語は独自に五観点評価しているようです)。

  • 「関心・意欲・態度」
  • 「思考・判断・表現」
  • 「技能」
  • 「知識・理解」

この四つに関してを点数化しているわけです。
小学校・中学校の定期テストでは各項目ごとに点数が出ますよね?あれです。ただ、それだけではなく、例えば「ノート提出」を「関心・意欲・態度」の点数に加えていたり(場合によっては「理解」にあたるとして、そっちにも点数があるかもしれません)、授業でおこなった「小テスト」で「知識・理解」の点数があったり、「実験プリント」に「技能」と「思考・判断・表現」の点数があったり、、、という形で点数化されています。

例えばかつらぎ町立妙寺中学校教科の評価・評定のページを見ると、各教科ごとの評価・評定の算出方法を書いてあります。

何でこんなに細かく、、、と思うかもしれませんが、実はもっと細かいのが「本当の観点別評価」です。、、、妙寺中学校のものにツッコミを入れるとすれば数学などにある「AAAAでも5がつかないことがある」というエクスキューズです。そうならないようにするために細かく観点別評価しなければいけない、というのが本来の姿なんですけどね(笑)。

それはさておき。
このように各観点ごとに評価をしてたして「評価点」とし、その「評価点」で「5段階」が付きます。結局のところ昔の「テスト点8割+平常点2割」と変わらないのです。ただ、昔との大きな違いは「印象」で点数をつけていることがないという部分でしょうか。ルールを作り、評価をすべき部分を決めて(提出物などを)評価するのが「観点別評価」です。、、、まあそうは言っても「何でウチの子はこの点数なの?」と聞いてくる保護者は必ずいるそうですが。(そうなれば、単純に「評価の基準はこうなってます」と答えるだけでしょうが)

ところが、「重みをつける」という表現があります。色々な意味で使われているので全国共通で、すべての学校で共通というわけではないですが、「観点別評価の内、特定の部分の評価を重視する」という意味で用いられます。実際に、評価の中でそこの部分の評価に関してのみ点数を1.5倍して評価点に加えたりしているわけです。これを利用すると「関心・意欲・態度を重視する」ということで、提出物がそろっていれば4が付くような評価点になることもあります。

テスト自体を簡単にする

ものすっごいわかりやすいですね。
これは点数自体を増やしてしまおう、という方向です。

今までの話は「ルール」をイジって評価を何とかしようという話でした。
ところが、それはあらかじめ決めて提示するようになってきていて、なかなか簡単に動かすことができないものになってきています。
で、あればテストを簡単にして点数をとってもらって「評価点」を底上げしてしまおう、という考え方です。非常にわかりやすいですね。

内規で決まってることがあったりなかったり

基本的に、学校内のルールは「学校内規」というものに記載されています。
例えば「5段階評価の基準」も内規に記載されていて、「評価点:何点〜何点は5、、、」という表記がある学校もありますし、「評定の平均が3.3になるように努力する」だとか「定期テストの平均点が65点〜50点程度になるように努力する」という書き方をしていることもあるようです。
絶対評価なんですが、絶対評価ではなく相対評価に近い評価になっている(5が居ないとか1が居ない評価が存在しない)のはこういった内規によって縛っているからでしょう。

確かに、学力がないけれど、真面目に頑張ってる児童・生徒を評価することは非常に大事です。その為に先生方は色々なことを考えていますが、それは結果的に「印象でつける」ことと同じことになっているんじゃないかなあ、、、と。ルールは厳然と存在し、学力差も存在します。その中で自分がどの程度出来て、どの程度出来ないのか、を理解させるのが評価だと思うのです。しかし内規や先生方の努力でその児童・生徒の本当の力を本人保護者が掴みきれていないんじゃないだろうか?と不安になることがあります。

まとめ

評価と言うのはその児童・生徒を理解するために考えられて付けられています。ただ、細かく丁寧につければつけるほど「複雑」になり、一般の保護者には理解し難いものになっているように感じます。先生方がしっかりと説明してくださったり、上であげた「かつらぎ町立妙寺中学校」のようにホームページなどで評価の方法を出してくれていたりするとありがたいなあ、と思うのですが、、、実際には評価自体は「ブラックボックス」の状態だと思います。何でもかんでも「学校に問い合わせて聞いてみる」ことが良いことだとは思いませんが、疑問に思った時には直接担任の先生に「何でこうなってるの?」と聞いてみることをオススメします。ココに書いた話だけではなく「到達度別評価」といって「観点別の評価をつけるための評価基準」としての評価方法もあり、それを利用して評価をつけている場合にはその児童・生徒がどの程度理解しているのか(理解できていないのか)を把握できているはずです。その情報は学校内だけではなくご家庭でも共有するべきだと私は考えています。家庭学習をする上で非常に大事な情報だと思いませんか?積極的にお子さんのために動くことは悪いことではないと思います。
「担任としっかり情報のやりとりをする」ことが非常に大事です、という当たり前のオチで終わりたいと思います。

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